飲酒運転事故が年間1万件超、ついに日本人観光客も犠牲に 韓国、交通事故の構造的問題点とは
歩行者保護法規の認知度の低さ
2023年1月、歩行者保護を強化する改正道路交通法施行規則が施行され、改正から1年経った2024年1月、アクサ損害保険が運転免許所持者1,400人を対象に法改正の認知度を調査するアンケートを行った。改正自体は93.1%が認知していたが、改正内容の認知度は条項により68.8%から86.2%で、22.3%が改正法を守っていないと回答した。横断歩道を渡っている歩行者がいるときに加えて、渡ろうとしている歩行者がいるときも一時停止が義務付けられたが、遵守する運転者はほとんどいない。
さらに歩道も安全とは言い難い。オートバイの歩道通行は茶飯事で、広い歩道を走行する自動車やさらには白バイなどの警察車両が歩道を走行することもある。
高齢者事故の増加
高齢者の事故も増えている。2024年10月、慶尚南道金海市で開催された全国体育大会ハーフマラソンの競技中、70代のドライバーが運転する自動車がマラソンコースに進入し出場選手にぶつかって怪我を負わせる事故が発生した。2025年11月10日にも忠清北道で行われたマラソン大会で、80代のドライバーが運転するトラックがコースに進入して20代の選手をはねた。将来を有望視されていた選手は大田市内の総合病院に搬送されて脳死判定を受けたという。
簡素な懲罰も交通事故抑制を阻害する。スピード違反は路上カメラ、駐車違反は取り締まり用車両で撮影して自動車所有者に反則金納付書が送付される。納付書を受け取った車両所有者等が期限内に反則金を納めると完了し、違反者が罰則を受けることはない。違反車両がリース車の場合、反則金納付書はリース会社に送付され、受け取ったリース会社が契約者に転送する。違反者は特定されず、違反記録も残らない。
交通法規の周知不足
2018年5月、韓国内349か所で消防車に道を譲る訓練が実施された。火災鎮圧の「ゴールデンタイム」とされる6~7分以内に消防車が現場に到着できるよう消防車に道を譲る必要性をドライバーや歩行者に認識してもらう目的だったが、消防車を追い越すトラックや消防車の車列の間に割り込む車両、消防車を気に留めることなく道路を横切る中年男性や高齢者など、消防車が停止を余儀なくされる場面が多々あったという。
関係機関や韓国メディアは消防車に道を譲らない違法行為を問題視したが、このような訓練を必要とするような、交通法規が周知されず適切な処罰もされない制度自体が問題だろう。
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