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「中国がリーダーになれば新興国の声を聞く」 ――トランプの「圧政」下、習近平が甘く囁く

Xi Jinping Unveils Vision For New Global Order

2025年9月2日(火)18時21分
ブレンダン・コール



アメリカとの貿易摩擦や、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとハマスの衝突などを背景に、中国は「平和的仲介者」としての立場を打ち出そうとしている。

今回のSCOサミットは、中国北部の港湾都市・天津で開催され、習は20人以上の各国首脳に対して演説を行った。

その中で習は、SCOが新しい国際関係のモデルを築いてきたと強調し、「巨大な市場規模を活かし、エネルギー、科学、AIの分野で貿易と協力を拡大すべきだ」と述べた。

また、SCO加盟国に対してこれまでに840億ドルの投資を行ってきたことを明かし、中国が新興国向けに展開する職業訓練制度「魯班(ルーバン)工坊」には1万人の学生が参加してきたと説明。今回のサミットを通じて、さらなる経済発展と協力の拡大を目指すとした。

習はこのほか、SCO加盟国向けに20億元(約2億8000万ドル)の資金提供を約束し、SCO開発銀行の早期設立も呼びかけた。

アメリカを名指しすることは避けながらも、「覇権主義」「冷戦思考」「威圧的行為」に反対する姿勢を明確にし、アメリカとその同盟国が主導する世界秩序に対する異議を暗に示した。

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