中国がインドに仕掛ける「水戦争」とは? 中国のダムが下流に住む数百万人を殺すかも
Water War Looms for Asia's Top Nuclear Powers
インドもダム建設を加速
関係者がロイターに語ったところによると、このプロジェクトは乾季の水供給を最大85%減少させるリスクがある。そのため、将来的に中国が水を「武器」として利用する可能性への懸念が高まっているわけだ。
王毅外相は8月18日、アジット・ドーバル国家安全保障顧問の招待による2日間の日程で、インドを公式訪問した。
その中で、スブラマニヤム・ジャイシャンカル外相と会談した際、ジャイシャンカルから、ブラマプトラ川におけるダム建設についての懸念が伝えられた。
インド外務省も「中国による巨大ダム建設は下流の流域国に影響を及ぼす。ダム建設による影響について、最大限の透明性が求められる」との声明を出した。
一方、中国はインドなど下流に位置する国々の懸念を否定している。
李強(リー・チアン)首相が7月、ブラマプトラ川で世界最大の水力発電ダムの建設が正式に始まったと発表した際、ダム建設は自国の主権に基づく正当な権利だと主張した。
中国外交部の報道官も8月25日、ロイターの取材に対し「中国は国境を越える河川の開発と利用に対し、常に責任ある姿勢を維持している。インドやバングラデシュなど下流に位置する国々との間で長年、意思疎通と協力を保ってきた」と回答した。
インドとバングラデシュは、中国が建設する巨大ダムが下流域の水流、漁業、洪水対策に悪影響を与える可能性があると警告している。関係当局は、事前の協議なく変化が生じれば、地域住民の生活や地域の安定性に深刻な影響を及ぼすと指摘する。
ロイターによると、インドは中国の巨大ダム建設による影響を緩和するため、「アッパー・シアン多目的貯水ダム」の建設を加速させるという。

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