最新記事
米中関係

米中、関税停止の延長で合意...トランプは承認するのか?首脳会談の可能性は討議せず

2025年7月30日(水)09時10分
協議に向かうベセント財務長官

米財務省報道官は29日、スウェーデンの首都ストックホルムで開催していた関税に関する閣僚協議が終了したと発表した。写真は同日、協議に向かうベセント財務長官(2025年 ロイター/TT News Agency/Fredrik Sandberg via REUTERS)

米中は29日、スウェーデンの首都ストックホルムで2日間にわたり開催していた関税に関する閣僚協議を終えた。中国の通商交渉官を務める李成剛氏は記者会見で、「突破口」は見いだせなかったものの、両国が5月中旬に合意した90日間の関税と輸出規制の一時停止措置を延長することで合意したと明らかにした。

ベセント米財務長官は会談後、両国の協議が「非常に建設的」だったとした上で、「まだ技術的な詳細を詰める必要がある」としたほか、今回の合意内容についてはトランプ大統領の承認が必要と語った。

グリア米通商代表部(USTR)代表も「建設的な協議が行われたことは確かだ。関税一時停止期間の延長については、トランプ大統領が決定する」とし、90日間の延長というのがトランプ大統領が承認できる選択肢の一つという認識を示した。

ベセント長官によると、米中両国は90日以内に再度会談を行う可能性があるほか、今回の協議ではトランプ大統領と習近平国家主席の会談の可能性については討議されなかった。

協議では米中の経済についても長時間議論され、グリア氏とベセント氏は中国が国家主導の製造業を中心とした輸出経済から消費者需要の増加を原動力とする経済へとシフトする必要性を強調した。

中国国営の新華社によると、協議の声明は「中国と米国の協力は双方に利益をもたらすが、対立すれば双方に損害を与える。中国と米国の安定的で健全かつ持続可能な経済・貿易関係は、それぞれの発展目標の達成に資するだけでなく、世界経済の発展と安定の促進にも資する」とした。

李氏は、米中双方が安定かつ健全な経済・貿易関係の維持が重要であることを十分に認識しているとし、今後もコミュニケーションを維持し、貿易・経済問題について「適時に意見交換」すると述べた。

ビジネス
暮らしの安全・安心は、事件になる前に守る時代へ。...JCBと連携し、新たな防犯インフラを築く「ヴァンガードスミス」の挑戦。
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アマゾン、売上高見通し予想上回る クラウド好調で株

ビジネス

米アップル、7─9月期売上高と1株利益が予想上回る

ビジネス

NY外為市場=円が対ドルで154円台に下落、日米中

ワールド

米副大統領「核戦力検証は安保に重要」、トランプ氏の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面に ロシア軍が8倍の主力部隊を投入
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    海に響き渡る轟音...「5000頭のアレ」が一斉に大移動…
  • 8
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 9
    必要な証拠の95%を確保していたのに...中国のスパイ…
  • 10
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」にSNS震撼、誰もが恐れる「その正体」とは?
  • 4
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 10
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中