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ガールズバーで睡眠薬、暴行、性交、そして1.5億円を奪われた...「歌舞伎町弁護士」が見た酷い事件

2025年7月29日(火)18時15分
印南敦史(作家、書評家)

ガールズバーで、しきりに話しかけてきた客の男

裕福な家庭に生まれた40歳の小栗匡平さん(仮名。以下の登場人物もすべて仮名)というその男性は、程度「4」の知的障害者。日常生活に差し支えない程度に身辺の事柄は理解できるものの、未経験だったり複雑だったりする事態に対応することは難しいという。

父方の祖父が先物相場で財を成し、都内の一等地に1億5000万円相当のアパートを所有していた。小栗さんと両親は、その賃料だけで何不自由なく暮らしてきたという。そして、アパートの土地建物を所有・管理する会社の役員でもある小栗さんには、毎月70万円もの大金が入ってきていた。


 両親と同居していた小栗さんは、毎月手にする70万円のほとんどを歌舞伎町の飲み屋とガールズバー、それに性風俗店での遊びに投じていた。そうしたうちの1軒のガールズバーで、悪い出会いがあった。小栗さんに目をつけ、しきりに話しかけてきた客の男は、平山文則と名乗った。この店のキャストの恋人であり、不動産会社の幹部だった。のちに判明したが、この不動産会社は神奈川県に拠点を置く広域暴力団のフロント企業でもあった。(27ページより)

平山は気のいい小栗さんに酒を奢らせるようになるが、小栗さんが好意を抱くキャストが自分の恋人である津田美咲だと知ると、同棲していることを隠したまま3人でアフターに出かけ、朝まで遊んだ分まで含めて小栗さんに支払わせるようになる。

いわゆる「タカリ行為」だが、ここまでならまだ犯罪とはいえないだろう。

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