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ガールズバーで睡眠薬、暴行、性交、そして1.5億円を奪われた...「歌舞伎町弁護士」が見た酷い事件

2025年7月29日(火)18時15分
印南敦史(作家、書評家)

居酒屋に向かうと、小柄な中年男性が泣いていた

確かにこういった断片的な報道は、私たちの耳にも入ってきている。しかしこの改正案は、ホストクラブやスカウトのみならず、キャバクラやガールズバー、メンズエステ、デリバリーヘルス(デリヘル)などの性風俗店にも大きな影響を及ぼすことが予想されるのだという。すでに著者のところにも、多くのナイトビジネス関係者から相談が寄せられているらしい。


「事実は小説よりも奇なり」とは言うが、弁護士が扱う実際に起きた事件には、時には小説よりもドラマチックで知的好奇心がそそられるものがある。(「序章」より)

そうした事件やそれに関わった人々に接することは、ナイトビジネス関連業務に携わる弁護士の醍醐味であると著者は記している。大変なことも多いが、やりがいも大きいのだと。なるほど、本書に登場する事件の数々はまるでドラマのようだ。


「バヤシさん、この人、どうにか助けてやれないかな」
 日々、歌舞伎町を徘徊している週刊誌記者のフクちゃんから呼び出され、行きつけの居酒屋に向かうと、小柄な中年男性が泣いていた。フクちゃんのネタ元でもある会員制カラオケバーのオーナーから「あんまり可哀想だから」と相談されたのだという。(26ページより)

この時点ですでにドラマっぽいが、悲しいかな現実なのだった。この男性は歌舞伎町の悪い奴らの餌食となり、全財産をむしり取られてしまったのだ。しかも、その額は数十万どころか、1億5000万円だというから驚く。

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