一体なぜ? 貿易黒字なのに「関税50%」...トランプがブラジルにこだわる「個人的な理由」
Trump’s “Breakfast Tax” Against Brazil
むしろトランプの動きは逆効果になるかもしれない。ブラジル人を国旗の下に団結させ、普段はルラに反対の人々まで擁護に回る──ルラがこの機会をうまく生かせれば、脅威を政治的チャンスに変える可能性まである。
トランプが世界レベルでの保守派の勢力拡大を本気で図っているのなら、政治的にほぼ死に体の前大統領に肩入れしてもほとんど効果はない。むしろブラジルで新しい右派指導者の台頭を妨げ、広範な政治的運動を個人的な怒りに矮小化してしまう。
これは貿易政策のふりをした政治的ジェスチャーだが、影響は現実の経済に及ぶ。トランプ関税はボルソナロ支持者から喝采を受けるかもしれないが、最終的に代償を払うのはアメリカの消費者だ。
アメリカはコーヒー豆の35%とオレンジジュースの50%以上をブラジルに頼っている。つまり、トランプが外国の盟友を守るために国際政治をもてあそんでいる間に、私たちの朝食の値段はどんどん上がるというわけだ。