「これが自衛ですか?これは戦争犯罪です」...パレスチナ大使が語ったイスラエルとの葛藤とハマスへの思い

2025年7月12日(土)17時08分
山田敏弘(国際ジャーナリスト)

もう十分です。なぜ日本は、アメリカ人が去った後、自由を手に入れたのか? なぜドイツなどに占領された多くの国が自由になったのか? なぜアフリカの多くの国々がイギリスやフランスやオランダなどから自由を手に入れたのか? なぜ私たちはイスラエルから自由を手に入れられないのか? イスラエルとは何様なのか。

日本の人々が、ガザでの惨状のビデオを見れば、脳がある人なら誰でも子どもや女性を殺害しているイスラエル人が嘘をついていると認識するでしょう。私たちには戦闘機もなければ、戦車もない。巨人が小さな小人を叩き、小人が巨人の足元を叩くと、巨人が叫び声を上げ、「ああ、足元を叩かれた!」と泣き叫ぶようなものです。

イスラエルは巨人です。パレスチナ人は、そのような物語の中の、小人同然なのです。そして、私たちがイスラエルの足元を叩いた途端、「ああ、私たちは被害者だ」と言う。彼らは被害者ではありません。


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ワリード・アリ・シアム(Waleed Ali Siam)

在京パレスチナ常駐総代表部代表(大使)。1996年から99年にかけてパレスチナ国際協力計画省日本アジア局長を務め、その後も日本とパレスチナの関係に携わる外交職を歴任。2003年から現職。


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