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日本社会

生活に困窮する母子世帯でも、生活保護を受けられるのは3割以下

2025年7月2日(水)11時30分
舞田敏彦(教育社会学者)

困窮母子世帯の生活保護受給率は、都道府県別に計算することもできる。<表1>は、数値が高い順に並べたものだ。2022年7月時点で生活保護を受けている母子世帯数を、同年10月時点の困窮母子世帯数(年収200万未満)で割った値による。

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全国値は28.1%だが、都道府県別に見ると大きな開きがある。最も高いのは北海道の54.3%で、神奈川、大阪がそれに次ぐ。おおよそ都市部で高くなっている。都市部では生活の基礎コスト(家賃など)が高いので、年収200万未満は「要保護」と判断されやすいのだろう。

その一方で、困窮母子世帯の生活保護受給率が10%に満たない県もある(右下)。これらの県では、年収200万未満の母子世帯の9割以上が生活保護を使っていない。親族からの援助を受けているのかもしれないが、「私」依存の福祉には限界があることも認識すべきだ。

自家用車が使えなくなることを恐れ、保護申請をためらっている世帯もあるだろう。やや古いが、2014年の総務省『全国消費実態調査』に、低所得世帯1000世帯あたりの保有自動車台数が都道府県別に出ている。この指標と困窮母子世帯の生活保護受給率<表1>の相関係数を算出すると、マイナス0.8054にもなる。クルマの必須度が高い県ほど、困窮母子世帯の保護受給率は低い傾向だ。自家用車を取り上げられたら、通勤や子の送迎もままならなくなる。地域の実情に応じ、自家用車の所有も柔軟に認めるべきだ。

もうすぐ夏休みに入るが、「夏休みなど無くしてほしい」と思っているシングルマザーもいる。それほどまでに生活は厳しい。各自治体は、困窮母子世帯の生活保護受給率のような指標を絶えず観察し、公的扶助が真っ当に機能しているかを点検する必要がある。

<資料>
厚労省『被保護者調査』2022年
総務省『就業構造基本調査』2022年

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