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NATO防衛費「5%時代」へ...ロシアへの対抗とアメリカの圧力に対応

2025年6月26日(木)09時02分
ルッテNATO事務総長とトランプ米大統領

北大西洋条約機構(NATO)は25日、オランダのハーグで開いた首脳会議で、2035年までに加盟各国の防衛支出を国内総生産(GDP)比5%に引き上げる目標を承認した。写真はルッテNATO事務総長とトランプ米大統領。同日撮影(2025年 ロイター/Piroschka Van De Wouw)

北大西洋条約機構(NATO)は25日、オランダのハーグで開いた首脳会議で、2035年までに加盟各国の防衛支出を国内総生産(GDP)比5%に引き上げる目標を承認した。集団防衛に対するコミットメントも再確認した。

防衛費増額はトランプ米大統領の要求に対応すると同時に、22年のロシアによるウクライナ全面侵攻開始以降、安全保障に対する脅威が増大している欧州諸国の懸念にも対応する。


 

NATOのルッテ事務総長は、NATOは一段と強固で公平な同盟として発展すると表明。「ロシアの脅威や、国際安全保障情勢を踏まえ、代替案はないというのが会議に参加したわれわれの絶対的な確信だ」と述べた。

また、加盟国に防衛費増額で合意させたトランプ米大統領は「称賛に値する」とした。

トランプ氏は記者会見で、目標引き上げについて「大きな勝利だ」とし、追加支出が米国製軍事装備品に費やされることを期待すると述べた。

NATO加盟32カ国は5項目から成る共同声明を発表。全ての加盟国が防衛支出を引き上げる目標を明文化した声明を支持した。ただ、スペインはこの目標を達成する必要はなく、はるかに少ない支出で自国の義務を果たすことができると表明した。

共同声明は、加盟国の集団防衛を定めたNATO条約第5条に対する「揺るぎないコミットメントを再確認する」とも表明した。

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