韓国、人口1000万の大都市で自動運転を実用化 ソウル首都圏がレベル3技術の実証拠点に
1時間半の長距離路線も
青瓦台の循環バス
既に試験運行を終え営業運行を始めた自動運転バスもある。景福宮(キョンボックン)駅を出発し、以前の大統領府だった青瓦台などを経由して景福宮駅に戻る循環バスで、営業区間は2.6km。22年12月から23年10月まで試験運行を行った後、システムの点検や改善などを経て24年8月1日、有料の定期運行を開始した。
早朝バス「A160」
自動運転タクシーは1乗車あたり数分から十数分で、東大門-合井間のA21バスは40分から50分、青瓦台は10分程度だが、距離が長い自動運転バスも誕生した。午前3時30分にソウル北端の道峰山(トボンサン)バスセンターを出発し、オフィス街の鐘路や汝矣島(ヨイド)バスセンターを経て永登浦(ヨンドゥンポ)に至る1時間半の路線(路線番号;A160)である。
朝が早い勤労者から始発の繰り上げと増便要求が出されていた区間で、一般バス(路線番号;160)より30分早い運行だ。定員は22人で東大門-合井間のバスと同じく立席乗車は禁止され、すべての座席にシートベルトが設置される。
今後の展開は?
ソウル市は自動運転バスを拡大する計画で、A160と同様の自動運転早朝バスを3路線開設するなど、10路線まで拡大したい考えだ。韓国政府もソウル、世宗(セジョン)、京畿道(キョンギド)、忠清南道(チュンチョンナムド)、慶尚北道(キョンサンブクド)、慶尚南道(キョンサンナムド)、済州(チェジュ)といった7つの市道で自動運転サービスを運営する費用計26億ウォン(約3億円)を支援する。
タクシーはソウルの交通事情を考えると夜間はともかく、日中の営業は厳しいかもしれないが、バスの場合、A21やA160と同様、バス専用レーンは自動運転、バス専用レーン以外は手動運転という方式を採用すれば、運転手の疲労軽減につながる期待ができそうだ。