イスラエル批判に慎重だったドイツ政府すらガザ攻撃を非難...「一線を越えた」

ドイツのメルツ首相は26日、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザでの行動について、民間人に対する被害の規模はイスラム組織ハマスとの戦いとしてもはや正当化できるものではないとして非難した。17日撮影(2025年 ロイターREUTERS/Remo Casilli)
ドイツのメルツ首相は26日、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザでの行動について、民間人に対する被害の規模はイスラム組織ハマスとの戦いとしてもはや正当化できるものではないとして非難した。
メルツ氏はWDRテレビのインタビューで「一線が越えられ、国際人道法が実際に侵害されているとき、ドイツはそれについて声を上げなければならない」と言及。「イスラエル軍が現在ガザ地区で行っていることは、何を目的としているのかもはや理解できない」とし、「イスラエル政府は、最も親しい友人でさえもある時点で受け入れることができなくなるようなことをしてはならない」と述べた。
その上で、週内にイスラエルのネタニヤフ首相と電話会談を行い、「過度な行動をとらないよう」伝えると述べた。ただ、「歴史的な理由」を踏まえ、ドイツは他の欧州諸国よりもイスラエルを批判することに常に慎重になるとの認識も示した。
ドイツは2023年10月7日のハマスによるイスラエルに対する奇襲攻撃以降、イスラエルの自衛権を強く支持。600万人のユダヤ人が犠牲になったホロコースト(ユダヤ人大虐殺)でドイツが果たした役割を償うためにイスラエルを支持する義務があるとの認識が反映されているとみられる。


アマゾンに飛びます
2025年6月3日号(5月27日発売)は「岐路に立つアメリカ経済」特集。関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら