ロサンゼルスで広がる「鉛汚染」の恐れ...山火事が引き起こした健康被害の危険性、対応には壁も
もっとも、山火事の被害区域がイートン地区と高級住宅地のパシフィックパリセーズ地区の計4万エーカーを超え、少なくとも27人が死亡し、1万2000棟を超える建造物が破壊された後、自宅をいくらで買い取ってもらえるかはまた別の問題だ。
不動産データ企業のランドアップによると、あらゆる種類の土壌汚染は「地価を著しく低下させる」可能性があると指摘する。
イートン地区の鉛の主な原因は、1世紀以上前に建てられた古い住宅だ。1978年より前に建てられた住宅は、ほぼ間違いなく鉛をベースにした塗料で覆われ、しばしば鉛管を備えていた。
多くの住民にとって、引っ越しという選択肢はない。火災発生直後には賃貸価格が高騰し、地価を押し上げるとの見方もあったものの、その後価格は下がった。
一方、山火事の被害を受けて避難を余儀なくされた数千人もの住宅需要は、被災地の住宅供給をはるかに上回っている。
血液検査の列に並んでいた元保護観察官のパトリシア・ローチさんは「どこに行けばいいのか」と問いかけた。
ロサンゼルス郡は環境コンサルティング企業、ルークスと契約し、被災地の風下1マイル以内にある367カ所の土壌検査を実施した。
その結果、ローチさんとフェンウィックスさんが住む地域では、検査サンプルの大半が州の定める鉛の許容レベルを超えていることが判明した。