最新記事
韓国大統領選

韓国最高裁、大統領選最有力候補イ・ジェミョンの公選法無罪判決を破棄 高裁に差し戻し命ず

2025年5月1日(木)16時25分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
李在明

最高裁で公職選挙法違反事件について高裁差し戻しが言い渡された李在明 高陽市で27日撮影 ロイター/Kim Hong-Ji

<「国民の力」大統領選候補者は一斉に出馬辞退を求める>

最高裁判所は1日、共に民主党のイ・ジェミョン(李在明)大統領候補の公職選挙法違反事件に対して、控訴審で言い渡された無罪判決を破棄し、事件をソウル高裁に差し戻した。これにより、イ候補の司法リスクが再び浮上することとなった。ニューシス、京郷新聞、朝鮮日報など韓国メディアが一斉に報じた。

問題の争点は?

イ候補は、2021年に行われた第20代大統領選挙の過程で虚偽事実を公表した疑いで起訴された。具体的には、放送出演時と国会国政監査において、大長洞・白峴洞開発事業関連の疑惑について虚偽の発言をしたとされる。

イ候補は2021年20代大統領候補時期に放送に出演し、故キム·ムンギ前城南都市開発公社所長を「知らなかった」と虚偽発言をした疑惑で起訴された。検察は、イ候補がキム前所長と交流したにもかかわらず、自分に有利になるように嘘をついたと判断した。当時、イ候補は他にも疑惑を受けており、キム前所長はその疑惑の中心人物に挙げられていた。イ候補は同年、国会国土委員会の国政監査に出てきて、白峴洞(ペクヒョンドン)の敷地用途を変更したことが「国土交通部の脅迫のためだった」と話したが、検察はこれもまた虚偽事実を公表したと判断した。

1審はイ候補に公職選挙法上の被選挙権剥奪刑である懲役1年、執行猶予2年を言い渡した。裁判所はイ候補が疑惑から逃れるために故意に記憶と異なる発言をしたとし「キム前所長とゴルフをしたことがない」「国土部に圧力をかけて白峴洞敷地用途を変更した」という趣旨のイ候補発言を全て虚偽発言と認定した。

一方、控訴審は無罪を言い渡した。裁判所はキム前所長関連発言が「認識」に関するもので、虚偽事実公表罪構成要件に該当しないと判断した。白峴洞の発言に対しても「単純な意見を表明したものなので処罰できない」とした。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米の日鉄投資計画承認、日米の経済関係強化につながる

ワールド

米空母、南シナ海から西進 中東情勢緊迫化

ビジネス

ECB、政策の柔軟性維持すべき 不確実性高い=独連

ワールド

韓国、対米通商交渉で作業部会立ち上げ 戦略立案へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 7
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中