最新記事
韓国大統領選

韓国最高裁、大統領選最有力候補イ・ジェミョンの公選法無罪判決を破棄 高裁に差し戻し命ず

2025年5月1日(木)16時25分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

最高裁の判断は......

最高裁はこの日午後3時から、ソウル瑞草区の大法廷でイ候補の公職選挙法違反疑惑上告審宣告期日を開き、最高裁長官と最高裁判事12人中10人の多数意見で「原審判決を破棄し事件をソウル高裁に差し戻す」と宣告した。

イ・フング、オ・ギョンミ最高裁判事は無罪趣旨の反対意見を開陳した。 また、ソ・ギョンファン、シン・スクヒ、パク・ヨンジェ、イ・スクヨン、マ・ヨンジュ最高裁判事は多数意見に対して、イ・フング最高裁判事は無罪趣旨反対意見に対して補充意見を明らかにしたとチョ・ヒデ最高裁長官は伝えた。

今後の展望

イ候補は直ちに大統領選出馬の道が閉ざされるわけではないが、有罪趣旨で破棄差し戻しされたため、ソウル高裁は最高裁の判断に拘束され、有罪を宣告しなければならない見通しである。2審では追加量刑審理を経て量刑を新たに決めることになる。これにより、イ候補の司法リスクが再浮上するという見方が出ている。

事実、「国民の力」大統領選候補らは今回の最高裁判断を受けて攻勢を強め、一斉にイ候補の辞退を促した。

キム・ムンス候補はこの日、最高裁宣告直後に声明を出し「まだ大韓民国の司法正義が生きていることを確認させた判決」と意義を強調した。キム候補は「イ候補は今までただ一瞬も自身の誤りを悔やむことなく嘘に嘘を加え国民の目を欺いて抜け出す工夫だけをしてきた」とし「一抹の良心でもあるならば今からでも候補職を辞退しなければならない」と主張した。

またハン·ドンフン候補もフェイスブックで最高裁判決に対して「迅速で正義な判決に敬意を表わす」と話した。ハン候補は「イ候補の『嘘の免許証』は取り消しになり、同時に政治家資格も剥奪されたのだ。 直ちに辞任すべきだ」と主張した。 続けて「もちろんイ・ジェミョンという危険な人物は素直に退かない」とし、「裁判所の宣告だけでなく国民の選挙で勝たなければならない」と強調した。

ニューズウィーク日本版 教養としてのBL入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月23日号(12月16日発売)は「教養としてのBL入門」特集。実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気の歴史と背景をひもとく/日米「男同士の愛」比較/権力と戦う中華BL/まずは入門10作品

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:失言や違法捜査、米司法省でミス連鎖 トラ

ワールド

アングル:反攻強めるミャンマー国軍、徴兵制やドロー

ビジネス

NY外為市場=円急落、日銀が追加利上げ明確に示さず

ビジネス

米国株式市場=続伸、ハイテク株高が消費関連の下落を
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 4
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 5
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 6
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 9
    【独占画像】撃墜リスクを引き受ける次世代ドローン…
  • 10
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中