最新記事
就活

「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ世代の採用を見送る会社が続出する理由

My Gen Z Class Is Eerily Silent

2025年3月13日(木)19時00分
ビル・バーグマン(米リッチモンド大学講師、経営学)
米リッチモンド大学講師のビル・バーグマンと教え子たち

筆者(中央)と大学の新入生たち COURTESY OF BILL BERGMAN

<異様に静かな大学1年生の教室の様子から、デジタルに頼りすぎる世代の深刻な問題に気付いた>

大学での昨年の秋学期、私が受け持った1年生は32人。しかし彼らは、私の知る大学生とはまるで別の生き物だった。みんな、不気味なまでに静かだった。新学期の最初のうちなら珍しくもないことだが、それが年末までずっと続くとは思ってもいなかった。

この年の1年生は、前の学年のZ世代とは明らかに違っていた。話すことが必要ではない世界で生きているかのようだった。グループで取り組む課題を与えても、グループチャットやグーグルドキュメントを利用するのみ。


欲しい情報や商品、食べ物は何でもアマゾンやグーグルで手に入るから、他人とじかに話す経験がほとんどないようだ。

だから授業中に指名して質問をぶつけると、彼らは変に身構えてしまう。しゃべる必要のないデジタル空間で、ずっと生きてきたからだ。

デジタル依存が招く不安や抑鬱に、彼らは気付かない。自分の視聴・購買データを業者に握られても気にしない。ネット上のインフルエンサーを信じて喜々としてフォローし、確かめもせずに怪しげな口コミ情報を受け入れる。

状況は深刻だ。1年生の授業を担当する教員は早い段階で時間を割き、学生たちが肉声で話すスキルを磨くように仕向けないといけない。

パワーポイントを使ったプレゼンの技術を教える必要はない。そうではなく、生身の人間と語り合い、互いを理解し合う方法を教える。そうしてこそ、彼らをデジタル空間の孤独から救い出せる。

座談会
「アフリカでビジネスをする」の理想と現実...国際協力銀行(JBIC)若手職員が語る体験談
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

林官房長官が政策発表、1%程度の実質賃金上昇定着な

ビジネス

アングル:FRB「完全なギアチェンジ」と市場は見な

ビジネス

野村、年内あと2回の米利下げ予想 FOMC受け10

ビジネス

GLP-1薬で米国の死亡率最大6.4%低下も=スイ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 3
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 7
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中