公的機関は解体すべき「敵」なのか?...無秩序の時代にこそ「再生のチャンス」がある
GOODBYE DEEP STATE
トランプとマスク(上)の攻撃が制度の闇をあぶり出す BRIAN SNYDERーREUTERS
<イーロン・マスクの攻撃が短絡的である一方で、半世紀前のままの組織であり続けていいわけではない>
世界中で公的機関が危機に瀕している。信頼は下がり続け、トランプ米政権と大富豪イーロン・マスクには解体すべき敵と見なされている。
彼らの攻撃は短絡的なところもあるが、一方で、公的機関が半世紀前のままであることに正当な理由はないと、私たちに思い出させる。
AI(人工知能)の設計と管理、メンタルヘルスの取り組み、エネルギー転換や産業政策の管理など、人類が直面している重大な課題の多くは、効果的な制度がなければうまく対処されないだろう。
しかし、こんにちの省庁や機関、委員会、公共サービス、規制当局は、新しいニーズに対応するには不向きだと思えることが多い。
政府は昔から、法律の施行や教育、徴税、治安維持など、業務の遂行に当たり制度に依存してきた。二酸化炭素排出量の削減や組織犯罪との闘いなど、新たな課題のために新たな制度を創設することも多い。
予算削減を迫られ攻撃にさらされるなか、制度の改革を担う人々は、公益をより適切に表現する手法を重視して、効率化の新しいツールやテクノロジーを最大限に活用しながら、信頼を回復しなければならない。
こんにちの制度設計の選択肢は、1世代前とは大きく異なる。アルファベットやバイトダンス(北京字節跳動科技)、アマゾン、アリババなどのグローバル企業は全く新しいビジネスモデルを開拓し、かつてない規模の経済を実現してきた。
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