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「祖国には戻らない」若者たちの苦悩と選択──戦火のウクライナ、広がる兵役逃れの実態

DRAFT DODGING PLAGUES UKRAINE

2025年2月25日(火)10時33分
尾崎孝史(映像制作者、写真家)

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ゼレンスキー政権の動員計画はうまく進んでいない MARIJAN MURATーDPAーREUTERS

その後、23年6月に開始されたウクライナ軍の反転攻勢が失敗に終わる。噴出してきたのは、長期にわたり戦闘任務に就いている兵士や家族の不満だった。

「軍人は奴隷ではない」「私の夫は625日帰っていない」。

そんなメッセージを掲げた女性たちが同年12月、キーウの革命広場に集まった。約100人が目抜き通りをデモ行進し、夫であり父である兵士の復員を政府に求めた。この頃、ロシア政府は前線で戦う兵員は約61万7000人だと発表していた。

翌24年、ウクライナ軍の統合司令官は兵員数について、1対7から1対10でロシア軍に劣っていると説明。この差を埋め、交代要員を補充すべく24年5月18日に施行されたのが新たな動員法だった。主な内容は以下だ。


徴兵年齢の27歳から25歳への引き下げ/動員逃れに対する罰金の増額や運転免許等の更新不許可/18~60歳の男性を対象に、軍に登録する個人情報の60日以内の更新を義務付け/登録証の常時携帯を義務化

病院で障害認定を求める人々

さまざまに厳格化した動員強化の号令に人々はおののいた。登録情報更新の締め切りである60日後は7月16日。それまでに徴兵を逃れる策はないかと多くの男性が動き始めた。

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