最新記事
カーター

「平和で公正な社会はつくれる」----キング牧師の娘が語る「父とジミー・カーター」

A COURAGEOUS LEADER

2025年1月29日(水)15時29分
キャサリン・ファン(国際政治担当)
「平和で公正な社会はつくれる」——キング牧師の娘が語る「父とジミー・カーター」

キングへの自由勲章をコレッタ夫人に手渡すカーター(右端はキングの父) BETTMANN/GETTY IMAGES

<選んだ道は違っても彼は父の夢を体現した──二人の足跡を、末娘バーニス・アルバーティン・キングが振り返る。「勇気ある指導者」の遺したものとは?>

わずか5年違いで米ジョージア州に生を受けたジミー・カーター(Jimmy Carter)とマーチン・ルーサー・キングJr.(Martin Luther King Jr.)。

共に公民権運動の最中に政治活動に身を投じて頂点に上り詰め、当代随一の指導者として歴史に名を残した。

実際に顔を合わせることはなかったにもかかわらず、2人の関係は半世紀余りにわたってダンスのように複雑に絡み合い、互いの「遺産」を永遠に方向づけることになった。


「彼(カーター)と父の人生のスタートは違っていた」と、昨年12月29日に100歳で死去した元米大統領について、公民権運動の象徴的指導者だったキング牧師の末娘バーニス・アルバーティン・キングは本誌に語った。

「でも面白いことに行動の価値基準は似通っていた。それは、フェアで人道的で平和で公正な社会はつくれるという信念だ」

にもかかわらず、カーターとキングは全く別の道を選んだ。

キングはアトランタのエベニーザー・バプテスト教会の有力な牧師で公民権運動の初期の活動家を父に持ち、有色人種の公民権の促進に生涯をささげた。

人種差別撤廃、投票権および労働者の権利を訴えたデモ行進など、彼の抗議活動は1964年の公民権法や65年の投票権法など画期的な法律につながった。

一方、南部の白人至上主義者の息子として生まれたカーターは、政界入り直後は人種問題で物議を醸すようなスタンスを避けていた。

ジョージア州上院議員時代は人種差別的な発言をしたことも人種差別主義的な議員たちに同調したこともなかったが、キングが成立に助力した画期的な法律を支持する発言はせず、68年のキングの葬儀にも参列しなかった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米政府機関の一部が閉鎖、短期間の公算 予算案の下院

ビジネス

中国1月製造業PMIが50割れ、非製造業は22年1

ワールド

トランプ氏、労働統計局長にベテランエコノミスト指名

ワールド

焦点:トランプ政権、気候変動の「人為的要因」削除 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 2
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵士供給に悩むロシアが行う「外道行為」の実態
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 5
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパ…
  • 6
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 7
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 8
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 9
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 10
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中