最新記事
環境保護

南米の環境保護、アマゾンに集中...砂漠や草原は関心薄く

2024年11月24日(日)11時43分
チリ・アタカマ砂漠

11月15日、南米における自然保護活動や気候変動対策資金の提供は、アマゾンの熱帯雨林など象徴的な生物多様性ホットスポットに集中し過ぎており、砂漠や湿地帯、その他の重要な生態系が危険にさらされていると、環境保護活動家や先住民リーダーらが警鐘を鳴らしている。写真はチリ・アタカマ砂漠でサンドボードを楽しむ男性。10月29日撮影(2024年 ロイター/Ivan Alvarado)

南米における自然保護活動や気候変動対策資金の提供は、アマゾンの熱帯雨林など象徴的な生物多様性ホットスポットに集中し過ぎており、砂漠や湿地帯、その他の重要な生態系が危険にさらされていると、環境保護活動家や先住民リーダーらが警鐘を鳴らしている。

チリのアタカマ砂漠からコロンビアの山岳高原地帯、ブラジルの熱帯湿地帯やサバンナに至る他の生態系にも、もっと関心が払われるべきだという。


 

アタカマ砂漠自然研究所のセシリア・モルガソ所長は、政治家や環境保護活動家でさえ、再生可能エネルギーへの移行が砂漠やサバンナ、草原などの生態系に及ぼす影響に十分な注意を払っていないとし、砂漠に関しては「通常、何の役にも立たないと考えられている」と語る。

チリの銅とリチウム埋蔵量は世界最大で、そのほとんどがアタカマ砂漠にある。しかし、再生可能エネルギーに不可欠なこれら金属の採掘と、風力および太陽光発電所による砂漠への悪影響は強まりつつある。

モルガソ氏は、こうしたプロジェクトは砂漠の生態系を危険にさらすが、「世界的なエネルギー需要を前にして、少数派の人びとがノーと言うのは難しい」と吐露。「問題は、砂漠の生物多様性の豊かさをどう評価するかだ」と話した。

コロンビアで今月開催された国連生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)では、再生可能エネルギープロジェクトが急増している生態系よりも、アマゾンを中心とする熱帯雨林の保護に重点が置かれた。

エネルギー転換の問題は、アゼルバイジャンの首都バクーで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)の主要議題となっている。主催国アゼルバイジャンは、各国に再生可能エネルギーを推進するため、2030年までに世界的なエネルギー貯蔵容量を6倍の1500ギガワットに増やすという誓約への署名を促している。

メンバーシップ無料
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国こそが「真の脅威」、台湾が中国外相のミュンヘン

ワールド

米中「デカップリング論」に警鐘、中国外相がミュンヘ

ビジネス

ウォルマート決算や経済指標に注目、「AIの負の影響

ワールド

ドバイ港湾DPワールドのトップ辞任、「エプスタイン
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活動する動画に世界中のネット民から賞賛の声
  • 2
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 3
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワートレーニング」が失速する理由
  • 4
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 5
    それで街を歩いて大丈夫? 米モデル、「目のやり場に…
  • 6
    世界市場3.8兆円、日本アニメは転換点へ――成長を支え…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    反ワクチン政策が人命を奪い始めた
  • 10
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 5
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 8
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 9
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 10
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中