なぜプーチンは長期政権を維持できるのか...意外にも、ロシア国内で人気が落ちない「3つの理由」

2024年11月15日(金)13時57分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

実際に近代のソ連・ロシアの歴史を見てみれば、スターリンを典型として権威主義的な政治家が国を司っており、民主主義の西側とは大きく異なることがわかります。

ゴルバチョフ元書記長だけは例外で、西側と友好的でした。しかし彼ですらNATOの東への拡大には批判的。自伝には「NATOなど西側がここまでやると知っていたら、西側とは妥協しなかった」旨が書かれています。(『我が人生 ミハイル・ゴルバチョフ自伝』)

旧ソ連共産党も現在の統一ロシアも強い政党そのものですし、プーチン大統領はまさに強いリーダー。良し悪しは別として、ある意味「ロシアの皇帝型支配の気質に合った統治」といえます。

「法の支配」の代わりに「パワーの支配」が幅を利かせている

<権威主義ロシアである理由2:古代ローマのDNA欠如>

ロシアが権威主義である理由の2つ目は、古代ローマから西欧では続くDNA欠如――すなわち、西洋的な「法の支配」の概念が十分でないためだという仮説を私は持っています。

ロシアや中国のような権威主義国家は、司法の独立性が保たれていません。民主主義の大原則である「法の支配」が機能していない代わりに、権威主義的な政党やリーダーという「パワーの支配」が幅を利かせているのです。

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