最新記事
SNS戦略

無関心な若者が熱狂、SNSを知り尽くしたハリス陣営成功の方程式

The Genius Behind Kamala Harris' Social Media Strategy

2024年8月21日(水)18時39分
アリス・コリンズ

以前にも政治運動に携わったことがあるマコーミックによれば、今回のハリスの選挙戦略は確かな革新性と創造性を示しているという。「ハリスのキャンペーンは、単にZ世代に語りかけるだけでなく、彼らを巻き込み、彼らと交流している」と彼女は続けた。

「ハリス陣営は、その時々の状況に精通している。オンライン上の適切な場所にいるだけでなく、ユーモアや信憑性をもって関与し、有権者の共感に訴える」とマコーミックは言う。

フェイヒー・コミュニケーションズのマイケル・フェイヒーCEOは、2023年の大統領選挙キャンペーンでスティーブ・ラフィーの報道官を務めるなど、過去に複数の選挙運動に携わってきた。

彼によるとハリス陣営がこれまでと違うのは、有権者のタイムラインに議題を持ち込まず、政策に触れることすらせずに、ハリス個人を前面に押し出している点だ。

TikTokをスクロールするとき、有権者は政治的スタンスや信条について聞きたいだろうか?おそらく違うだろう。面白いクリップやキャッチフレーズは見たいか?もちろんだ。

統合されたメッセージ

「アメリカの若者は選挙広告に関心がなく、多くの有権者は現実逃避のためにソーシャルメディアを使っている。ソーシャルメディアを選挙活動に使うのは、丸い穴に四角い杭を通すようなものだが、ミームを拡散するために使うのであれば、受け手への理解を示すことができる」とフェイヒーは言う

これまでの候補者はスローガンやグッズは使ったが、ハリスのキャンペーンはそれとは比べものにならないとフェイヒーは言う。政治家たちはかつて、ソーシャルメディアを全力で避けていたし、ミームになることは最悪の悪夢だった。だが今は、そうではない。

「ハリスの陣営はそれを受け入れ、有権者から絶大な支持を得ている。彼らの選挙キャンペーンには若々しい雰囲気がある。それは若者という重要な有権者にアプローチする方法について、適切な人々が重要な決断を下していることを示している」とフェイヒーは言う。

「彼らはブラット・サマーとココナッツの樹でメッセージが政治広告にならないよう調整し、全体をシームレスに統合した」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

政治圧力で独立性揺らぐFRB、今週FOMCは0.2

ワールド

クックFRB理事、住宅ローン申請違反の証拠なし 市

ワールド

カナダ競争局、英アングロと加テックの合併を調査

ワールド

インド貿易赤字、8月は264億ドルに縮小
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く締まった体幹は「横」で決まる【レッグレイズ編】
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 6
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 7
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 8
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中