最新記事
ウクライナ戦争

ロシア本土を直接攻撃する国産新兵器をウクライナが実戦投入

Zelensky Celebrates First Strike By New Ukrainian Palianytsia Drone Missile

2024年8月26日(月)16時27分
ジョーダン・キング
プーチン専用の最新型Tu-160M戦略爆撃機

これも標的?プーチン専用の最新型Tu-160M戦略爆撃機(2月22日、カザン)Sputnik/Dmitry Azarov/Pool via REUTERS

<大量のミサイルや滑空爆弾を落とすロシアの軍用機を、ロシア国内の飛行場で止まっているときに攻撃すれば国土を守れる。だが西側の長距離兵器ではそれが許されないので自国で作ったという>

ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は8月24日、ウクライナの新型無人ロケット「パリャヌィツィア」が初めて実戦に使用されたことを明らかにした(実態は不明だが、無人ロケットではなく巡航ミサイルの可能性もある)。

【画像】ウクライナの新兵器パリャヌィツィア

航続距離が長いこの無人攻撃機は約1年半前に開発に着手したもので、ロシア本土の約20カ所の軍用飛行場が射程圏内にある。

初めての使用で、パリャヌィツィアは「敵の軍事施設を攻撃した」と、オレクサンドル・カミシン戦略産業大臣はテレグラムに投稿した。

ゼレンスキーはその翌日、ソーシャルメディアにこう書き込んだ。「本格的な戦争開始から2年半の間に、ロシアはウクライナに向けて約1万発の各種ミサイルと、3万3000発以上の滑空爆弾を発射した。ウクライナの都市への攻撃を阻止するには、こうしたミサイルを運搬するロシア軍の航空機が軍用飛行場に停留しているところを標的にすればよい」

「喜ばしいことに昨日、ウクライナ国産の長距離無人ロケット『パリャヌィツィア』が初めて実戦に使用され、成功を収めた。敵の攻撃能力を破壊するために設計された兵器だ」

「生産数も、現在実戦で活躍中の長距離攻撃用ドローンの生産数に追いつくだろう」

ロシア領内を攻撃するために

ゼレンスキーは、この兵器が開発された背景を説明する動画も投稿した。

「ロシアによるミサイルや滑空爆弾の攻撃に対抗する最も効果的な方法のひとつは、これらの兵器の運搬手段を攻撃すること――つまりロシア国内の基地に停留するロシア軍機を標的にすることだ」と、ナレーションは説明する。

「だが、西側同盟国は、西側がウクライナに供与した武器でロシア軍基地を攻撃することをいまだに許可していない」と、説明は続く。「そこでウクライナは国の設計局で民間ロケットプロジェクトを開始し、業界の発展を促進するために規制を緩和した」

動画によれば、パリャヌィツィアはこの計画の最初の成果であり、その運用範囲、弾頭、製造情報などは「ほとんどが機密扱い」だという。

その攻撃範囲に加え、地上発射式であること、エンジンがターボジェットであることなど、限られた情報しか公表されていない。

ウクライナ政府は無人ロケットのコストは「同種のものよりはるかに低い」とし、「コスト削減と増産に取り組んでいる」と述べている。

動画の最後で、ナレーションはこう付け加える。「パリャヌィツィアの任務は、敵の攻撃力を破壊して市民を守ること。そして、それを敵の領土でそれを行うことだ」。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ミネソタ州に兵士1500人派遣も、国防総省が準備命

ワールド

EUとメルコスルがFTAに署名、25年間にわたる交

ワールド

トランプ氏、各国に10億ドル拠出要求 新国際機関構

ワールド

米政権、ベネズエラ内相と接触 マドゥロ氏拘束前から
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 2
    中国のインフラ建設にインドが反発、ヒマラヤ奥地で国境問題が再燃
  • 3
    DNAが「全て」ではなかった...親の「後天的な特徴」も子に受け継がれ、体質や発症リスクに影響 群馬大グループが発表
  • 4
    シャーロット英王女、「カリスマ的な貫禄」を見せつ…
  • 5
    AIがついに人類に「牙をむいた」...中国系組織の「サ…
  • 6
    「リラックス」は体を壊す...ケガを防ぐ「しなやかな…
  • 7
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 8
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 9
    中国ネトウヨが「盗賊」と呼んだ大英博物館に感謝し…
  • 10
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 6
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 7
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 8
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 9
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 10
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中