最新記事
ウクライナ戦争

ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア戦車を爆破する瞬間「開いたハッチは最高のプレゼント」

Precision Drone Strike Destroys Russian Tank Through Open Hatch

2024年8月15日(木)19時25分
マシュー・ロビンソン
ウクライナのFPVドローン

(写真はイメージです) Zysko Sergii-Shutterstock

<第12特務旅団アゾフの公開した動画には、攻撃を受けて炎に包まれるロシアの戦車が>

開いたハッチから侵入した精密なドローン攻撃により、ウクライナ軍がロシアの戦車を破壊する様子を映した動画をウクライナ国防省が公開した。

【動画】開いたハッチから侵入して爆発...FPVドローンで破壊され、炎に包まれるロシア戦車

この動画はウクライナの第12特務旅団「アゾフ旅団」によって投稿されたものだ。木々の中に隠れていたロシアの戦車にドローンがゆっくりと接近し、開いたハッチに降下していく様子が映っている。その後、炎に包まれた戦車が映し出される。

アゾフ旅団はX(旧ツイッター)に、「第12特務旅団アゾフの諜報部隊が緑地帯で敵の戦車を発見した」と綴っている。「UAV(無人航空機)攻撃中隊のオペレーターは、敵の電子戦を巧みにすり抜け、標的の砲塔ハッチを攻撃した」

ウクライナ国防省はXでこう付け加えた。「戦車の開いたハッチは、わが軍のFPV(一人称視点)ドローンオペレーターにとって最高のプレゼントだ。われわれはそれを最大限に活用する方法を知っている」

同省が公開した別の動画には、第25空挺旅団が戦車や輸送車、軍装備らしきものなど、いくつもの敵の標的を攻撃する様子が映っている。

ウクライナ側の発表によれば、2022年2月にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以来、全部で8455両のロシア戦車が破壊されたという。さらに、8月12日の戦闘で戦車5両が破壊された、とウクライナ国防省は伝えている。

アゾフ旅団は準軍事組織の「アゾフ大隊」が元になっており、極右・超愛国主義のイデオロギーにルーツをもつ。アゾフ大隊のメンバーは2014年から、ウクライナの親ロシア分離主義者との闘いで前線に立っていた。大隊の創設者はネオナチ傾向があると非難されていた。

現在のアゾフ旅団のメンバーはそうしたつながりを否定しており、全面戦争の勃発以来、大隊の評判とは距離をとっている。現在のアゾフ旅団はウクライナ国家警備隊の一部であり、ウクライナ屈指の有能な戦闘部隊と称えられている。

ウクライナは2022年以降、一貫してドローンを有効活用してきた。これにより、ウクライナ軍を攻撃するために用いられてきたロシアの高価な軍事資産を標的にしている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日産、横浜本社ビルを970億円で売却 リースバック

ビジネス

ドイツ鉱工業生産、9月は前月比+1.3% 予想を大

ビジネス

衣料通販ザランド、第3四半期の流通総額増加 独サッ

ビジネス

ノジマ、グループ本社機能を品川に移転
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイロットが撮影した「幻想的な光景」がSNSで話題に
  • 4
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 5
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 6
    カナダ、インドからの留学申請74%を却下...大幅上昇…
  • 7
    もはや大卒に何の意味が? 借金して大学を出ても「商…
  • 8
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中