最新記事
自然災害

ハリケーン「ベリル」がジャマイカを襲撃、漂流する野犬の衝撃映像がSNSで拡散

Video of Dogs Trapped on Floating Debris During Hurricane Beryl Goes Viral

2024年7月17日(水)17時30分
アンナ・スキナー
haron_f-x

haron_f-x

<ジャマイカに上陸したハリケーン「ベリル」の影響で、濁流に流される野犬の映像が話題になっている>

7月3日に猛烈なハリケーン「ベリル」が直撃したジャマイカで、濁流を流れる漂流物の上に取り残された数頭の野犬の動画がSNSで拡散している。

【動画】ハリケーン「ベリル」の猛威、ジャマイカで濁流に飲まれた野犬たちの運命は?

6月29日にハリケーンとなったベリルは、6月に大西洋で発生した大型ハリケーンとしては最も東部を襲った。勢力は急激に強まって風速36メートルを超え、間もなく「カテゴリー4」に発達。一時的に「カテゴリー3」に弱まったものの、再び勢力を強め、7月1日午前、約41メートルの最大風速を伴ってウィンドワード諸島に上陸した。

この時点でベリルは「カテゴリー5」の分類だったが、その後風速約32メートルに弱まって再びカテゴリー3になった。AP通信によると、ベリルの影響で少なくとも7人が死亡した。

3日にはカテゴリー4の強さでベリルがジャマイカに上陸し、豪雨とハリケーン級の暴風をもたらした。その様子をとらえたライブ映像に、がれきの上に取り残されたまま濁流を押し流されていく数頭の野犬が映っていた。この映像は4日午後の時点で100万回以上再生されている。

X(旧ツイッター)には「ジャマイカのハリケーン、ベリルのライブ映像を見ていて、こんなのを見るとは思わなかった」「ハリケーンのベリルが通過した昨日のジャマイカの映像。かわいそうな犬たち」などの書き込みがあった。

この映像をXに投稿した現地メディアのジャマイカ・ライブは「ジャマイカの氾濫した水路でゴミの波に乗る野犬 #HurricaneBeryl #MonitoringBeryl」と伝えた。

映像には滝のように押し流されていくがれきが映る。数秒後に通り過ぎる寄せ集めのがれきの上に、数頭の犬が立ち尽くしていた。激しい雨が降り続く中、犬たちが救出されたのかどうかは分かっていない。本誌は4日、ジャマイカ・ライブに電子メールでコメントを求めた。

ジャマイカの情報サービス局は3日午後、ペットの飼い主に対し、ハリケーンの到来に備えるよう、Xを通じて次のように呼びかけていた。

「災害予防・緊急管理庁(ODPEM)は、友人、家族、高齢者、障害者の様子を確認するよう呼びかけている」「ペットにも気を配り、必要な物資は全て確保しておくよう勧告する。シェルターでは家庭のペットは受け入れない」

ベリルは2024年の大西洋ハリケーンシーズンに発生した第1号のハリケーンで、名前の付く熱帯低気圧は今シーズン2番目だった。熱帯低気圧の「アルベルト」は6月20日午前、メキシコに上陸。ベリルが発生した直後の6月30日には、命名3番目の熱帯低気圧「クリス」が急激に発達した。クリスはその夜、風速約11メートルでメキシコに上陸し、その後消滅した。

アメリカ海洋大気庁(NOAA)などは、2024年は異常に強いハリケーンの年になると予測して警戒を呼びかけている。

NOAAによると、名前の付く熱帯低気圧の発生数は17~25個と予想される。25個のうち8~13個がハリケーンになり、うち4~7個は大型ハリケーンになる見通し。名前が付く熱帯低気圧、ハリケーン、大型ハリケーンの数は、NOAAが5月に発表する予報としては過去最多
となる。

今年は激しい熱帯低気圧の年になるという予報には、異常に温暖な海面温度や、エルニーニョがこの夏から秋にかけてラニーニャに入れ替わるという予想などが関連している。

(翻訳:鈴木聖子)

ニューズウィーク日本版 教養としてのBL入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月23日号(12月16日発売)は「教養としてのBL入門」特集。実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気の歴史と背景をひもとく/日米「男同士の愛」比較/権力と戦う中華BL/まずは入門10作品

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイラン再攻撃計画か、トランプ氏に説明へ

ワールド

プーチン氏のウクライナ占領目標は不変、米情報機関が

ビジネス

マスク氏資産、初の7000億ドル超え 巨額報酬認め

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 6
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中