最新記事
米大統領選

討論会は見返していない「と思う」...崖っぷちバイデンが再び墓穴? インタビュー映像に批判殺到

2024年7月9日(火)13時14分
ゲイブ・ウィズナント、ケイト・プラマー
米ABCニュースのステファノプロスのインタビューに答えるバイデン

米ABCニュースのステファノプロスのインタビューに答えるバイデン(右) ABC/GETTY IMAGES

<6月27日にトランプ前大統領との討論会で支離滅裂な発言を繰り返したバイデン大統領。7月5日に放映されたテレビインタビューの発言にも批判が集まっている>

米ABCニュースは7月5日、バイデン大統領のインタビュー動画を放映した。6月27日のトランプ前大統領との第1回討論会で不安なパフォーマンスを見せた後、初のテレビインタビューだった。

【動画】インタビューで討論会は見返して「いないと思う」と話すバイデン大統領

2分間の短い動画の中で、聞き手のジョージ・ステファノプロスに「討論を見返したか」と尋ねられたバイデンは、「いや、見ていないと思う」と答え、その後討論会の準備作業について説明した。


この返答は批判の的になった。トランプ陣営のスポークスマン、スティーブン・チョンは「討論会を見返したかどうか、どうして分からないんだ?」とX(旧ツイッター)に投稿。

反トランプ派の共和党員はこう断じた。「『見ていないと思う』は午後8時以降は仕事をやめるというのと同じくらいひどい答えだ。米大統領は1日24時間、週7日(休みなし)の仕事。現代史上最悪の討論パフォーマンスを見たかどうか思い出せないなら、この仕事にふさわしくない」

民主党支持者の広報専門家は次のように指摘した。

「これは予想された質問であり、答えられたはずだ。『動画を見た』、あるいは『全部ではないが、人々の懸念を十分に理解できる分量は(見た)』とか。もし本当に見ていないなら、それ自体無謀な行為だ。まともな企業経営者なら、パフォーマンス評価のために1~2時間はかける。彼は一日中何をしているのか?」

バイデンは討論会で支離滅裂で混乱した答えを繰り返し、中途半端なところで発言が止まってしまう場面も見られた。バイデンの側近は風邪を引いていたと本誌に語ったが、与党・民主党内では出馬辞退を求める声が噴出。ブックメーカーによれば、トランプに勝てるという予想も急減した。

バイデンが選挙戦に残るためには、今回のテレビインタビューとともに今後の激戦州での集会が「決定的に重要」になると、アイルランド国立大学ダブリン校のスコット・ルーカス教授(国際政治学)は本誌に語った。

「11月(の本選挙)まで選挙戦に残れるかどうかは、次の72時間が決定的に重要だ。民主党の戦略担当者や活動家、献金者、政治家はバイデンの今後のパフォーマンスに注目し、トランプに勝てるかどうかを世論調査でチェックするだろう」

別のインタビューも注目を集めている。4日に放送されたフィラデルフィアのラジオ局のインタビューでバイデンは、自分とハリス副大統領を混同しているように聞こえた。

「私は誇りに思う。初の副大統領、黒人大統領に仕えた初の黒人女性、黒人女性初の最高裁判事であることを。私たちが力を合わせれば、できることはたくさんある。これがアメリカだ」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア、イラン・イスラエル仲介用意 ウラン保管も=

ワールド

イラン核施設、新たな被害なし IAEA事務局長が報

ビジネス

インド貿易赤字、5月は縮小 輸入が減少

ワールド

イラン、NPT脱退法案を国会で準備中 決定はまだ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 3
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 6
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 9
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 10
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中