最新記事
中東

イスラエル、ガザで戦闘再開「ハマスが合意違反」 2時間の攻撃で14人が死亡、数十人が負傷=ガザ保険省

2023年12月1日(金)18時06分
ロイター
廃墟となったガザ北部

12月1日、イスラエル軍は1日、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとの戦闘を再開と表明した。写真は11月30日、イスラエル南部からガザ北部を撮影(2023年 ロイター/Alexander Ermochenko)

イスラエル軍は1日、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとの戦闘を再開したと表明した。ハマスが戦闘休止合意に違反しイスラエル領内に砲撃をしたと非難した。

戦闘休止は11月24日に始まり、これまで2度延長された。この間、ガザで拘束されている人質とイスラエルに捕らわれていたパレスチナ人が多数解放された。

しかし現地時間1日午前7時(日本時間午後2時)の戦闘休止の終了間際、イスラエルはガザから発射されたロケット弾を迎撃したと発表し、ハマス系メディアはガザで爆発音と銃撃音があったと報じた。

イスラエルのネタニヤフ首相は、ハマスがさらなる人質解放に同意しなかったため、戦闘休止継続の条件が満たされなかったと指摘。

首相府は、ハマスが女性の人質全員を解放するという合意を履行しなかったほか、ロケット弾をイスラエルに向けて発射したと指摘。

「戦闘再開に伴い、この戦争の目的である人質解放とハマス掃討を達成し、ガザが二度とイスラエル市民に脅威をもたらさないようにするイスラエル政府の決意は固いと強調する」とした。

ハマス政治部門のエザット・エルラシュク氏は「イスラエルが戦闘休止前の50日間に達成できなかったことは、戦闘を続けても達成できないだろう」とウェブサイト上で主張した。

ガザ南部のカーンユニスで激しい砲撃と町の東側で煙が上がる様子をロイターの記者が確認した。人々は町の西にあるキャンプに避難しているという。

アルジャジーラはイスラエルの攻撃により多くの死傷者が出ていると報じた。

ガザ保健省のアルキドラ報道官の休戦合意の期限が切れてから2時間で、イスラエルの攻撃により14人が死亡し数十人が負傷したと発表した。死者のほとんどは女性と子供だとしている。

ソーシャルメディアに投稿された画像によると、ガザのジャバリア難民キャンプの上空に大きな黒煙が立ち上っている。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

経営
「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑むウェルビーイング経営
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ウォン安と不動産価格上昇、過剰流動性だけが背景では

ビジネス

12月の豪消費者信頼感指数、悲観論が再び優勢 物価

ビジネス

ベトナムEVビンファスト、対インドネシア投資拡大へ

ワールド

EUメルコスルFTAに暗雲、仏伊が最終採決延期で結
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 8
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中