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バイデンが演説を打ち切ってシチュエーションルームに急行!一体何のため?(プーチン心臓発作説も)

Joe Biden's Sudden Situation Room Visit Sparks Multiple Theories

2023年10月25日(水)16時37分
アレックス・フィリップス

「シリアのアル・オマル油田で爆発があったという情報筋の報告がある」と、インターネット番組パーソナリティのブライアン・クラッセンスタインは書いている。「さらに、シリアのアル・タンフ基地とアル・シャッダディ基地が無人機によって攻撃されたようだ」

別のX(旧ツイッター)ユーザーは「シリアとイラクの3つの米軍基地が同時に攻撃されたという報告がある」と、報告した。「バイデンが記者会見を打ち切り、シチュエーションルームに呼ばれた」

米国防総省は、シリアのアル・タンフ基地でドローンによる2度の攻撃が試みられたが、いずれも「撃墜した」ことを確認した。

ワシントンのシンクタンク戦争研究所(ISW)は、民兵の連合体である「イラクのイスラム抵抗勢力」がシリアのアル・マリキヤで米軍への攻撃を成功させたと主張していると指摘したが、国防総省はこれを確認していない。

イラクのイスラム抵抗勢力はアル・オマル油田付近で米軍を攻撃したと犯行声明を出したと複数の地元メディアが報じているが、これもまだ確認されていない。

ホワイトハウスのジョン・カービー報道官(安全保障担当)は23日夜遅く、ロイター通信に対し、アメリカは 「この地域におけるわが国の利益に対するいかなる脅威も放ってはおかない」と語った。

プーチン死んだ?

他のSNSユーザーは、バイデンが急遽退席したのは、プーチンがモスクワの自宅で心臓発作を起こしたと伝えられたためではないかと疑っている。

Xのあるアカウントは、バイデンが演説を早めに切り上げたことと関連づけながら、心臓発作の後に「プーチンは死んだかもしれない」という「噂」を伝え、 「バイデンが今日シチュエーションルームにこもらなければならなかった理由はこれか?」と問いかけた。

この噂の出どころは、ロシアの諜報機関のメンバーによって運営されていると主張する匿名のアカウントGeneral SVRによるテレグラムへの投稿だ。22日にプーチンはベッドの横に倒れているところを発見され、警備員が部屋で音を聞いたという。

「医師は、大統領が心停止状態であると判断し、蘇生処置を行った。タイムリーな処置により、心臓は動き始め、プーチンは意識を取り戻した」

しかし、残念ながらこのメッセージはバイデンがシチュエーションルームに向かう8時間も前の午前7時21分(米国東部時間)頃に送信されたものだった。

10月23日、ホワイトハウス近くで演説を行っていたジョー・バイデン大統領は、突然話を切り上げ、緊急時に大統領が世界に展開するアメリカ軍の指揮管理をするための「シチュエーションルーム(状況分析室)」に向かった。何らかの危機を匂わせる事態だけに、いったい何があったのか、SNS上では諸説が飛び交っている。

バイデンがシチュエーションルームに行ったのは、ガザで武装勢力に拘束されていた2人の人質が解放されたというニュースが流れる直前だったが、一部のネットユーザーは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が心臓発作を起こしたと伝えた。中東の米軍基地に攻撃があったという報道があったせいではないか、と指摘するユーザーもいた。

だがホワイトハウスの報道官は24日、バイデンは「イスラエルとガザの最新情勢に関する定期的なブリーフィング」のために呼び出された、と本誌に確認した。

この日バイデンが行っていた演説は経済に焦点を当てたもので、23日の午後3時11分に開始したが、たった7分後の3時18分直前に終了した。「申し訳ないが、対処しなければならない別の問題があってシチュエーションルームに行く必要ができた」と、バイデンは聴衆に語った。

人質の解放の直後

バイデンは退席する際に、記者団からのいくつかの質問に答えた。ガザで拘束されている人質の解放と引き換えの停戦をめざす仲介案をアメリカが支持すべきかどうか、という質問に対して、「まず人質を解放して、話し合いはその後だ」とバイデンは述べた。

人質の解放や解放されたばかりの人質について進展があったかという質問には、「今すぐに」という言葉以外は聞き取れないまま退席した。

ホワイトハウスの地下にあるシチュエーションルームは、大統領と参謀本部が緊急事態に対応し、軍事作戦を指揮するための情報司令室だ。

AP通信は同日午後3時29分に、ハマスが10月7日の奇襲攻撃でイスラエルから拉致した2人の高齢の人質を解放したと報じた。解放されたのは、ニル・オズのキブツに住むヌリット・クーパー(79)とヨシェベド・リフシッツ(85)だった。

ハマスは20日に、人質だったアメリカ人の母親とその10代の娘ジュディスとナタリー・ラアナンを解放している。

一部のSNSユーザーは、バイデンの突然の退席は、イランに支援されたイスラム過激派が6日連続で中東にあるアメリカの施設を攻撃しているためだと推測した。これらの攻撃により中東の火種がイスラエルの外にも拡大するのを抑止するため、米軍は地中海東部におけるプレゼンスを高めている。

 
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