最新記事
同盟国

日米韓首脳、キャンプ・デービッドで会談 日米は極超音速兵器の迎撃ミサイルを共同開発

2023年8月19日(土)09時26分
ロイター
左から韓国ユン大統領、米国バイデン大統領、日本岸田首相

日米韓3カ国の首脳は18日、米ワシントン近郊メリーランド州の山荘「キャンプデービッド」で会談し、防衛、経済関係の深化のほか、首脳会議を毎年定例化することなどで合意した。写真は共同会見に臨む3カ国首脳。8月18日撮影(2023年 ロイター/Jim Bourg)

日米韓3カ国の首脳は18日、米ワシントン近郊メリーランド州の山荘「キャンプデービッド」で会談し、防衛、経済関係の深化のほか、首脳会議を毎年定例化することなどで合意した。

バイデン大統領はこの日、米ワシントン近郊メリーランド州の山荘「キャンプデービッド」で岸田文雄首相と韓国の尹錫悦大統領と3カ国首脳会談を実施。ロイターが入手した韓国版の共同声明は「このほど見られている中国の南シナ海における違法な海洋領有権を主張する危険で攻撃的な行動について、インド太平洋海域における現状を一方的に変更しようとするいかなる試みにも強く反対する」としている。

日米韓はこのほか、3カ国の軍事訓練を毎年実施するほか、2023年末までに北朝鮮のミサイル発射に関する情報をリアルタイムで共有できるようにすることも確約。日米韓首脳会談を毎年開催することでも合意した。

ロシアによるウクライナ侵攻については、ウクライナへの支援を継続し、ロシアに対する強力かつ協調的な制裁を維持することで合意。ロシア産エネルギーへの依存を一段と低下させることでも見解が一致した。

また、日米両首脳は極超音速兵器の迎撃ミサイルを共同開発することで合意した。日本の外務省が会談内容を発表した。抑止力をさらに強化するためとしている。

米バイデン大統領「3カ国の新時代」

バイデン米大統領は18日、米ワシントン近郊メリーランド州の山荘「キャンプデービッド」で開いた日米韓首脳会談について、3カ国の新時代が始まったとの認識を示した。

会談はより平和で繁栄するインド太平洋を築くためのものであり、中国問題を焦点としたものではなかったが、「明らかに話題になった」とした。

また、ロシアによるウクライナ侵攻に対し強い国際的な反応がなかったとしたら「台湾について中国にどんなシグナルを送ることになるのか」と懸念を表明した。

共同会見では、税金未納と銃所持を巡る容疑で訴追された息子のハンター・バイデン氏についての質問も出たが、ノーコメントだとした。

韓国ムン大統領「福島原発の処理水放出は議題にならず」

韓国の尹錫悦大統領は18日、ワシントン近郊の山荘「キャンプデービッド」で行われた日米韓首脳会談で、日本が計画している福島第1原子力発電所の処理水放出は議題として取り上げられなかったと述べた。

尹大統領は、福島原発の処理水を巡る透明性のある情報公開を望んでいるとし、プロセスは国際原子力機関(IAEA)の手続きに沿って行われる必要があるとの考えを示した。

一方、岸田文雄首相は米国時間18日夕(日本時間19日朝)、訪問先のメリーランド州で記者団の取材に応じ、東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出について、政府として「判断すべき最終的な段階に至っている」との認識を示した。首相は帰国後、20日に同原発を訪問する予定であることも明らかにした。

試写会
映画『タンゴの後で』トークイベント付き試写会 10組20名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

エヌビディア「H20」は安全保障上の懸念=中国国営

ワールド

中国、米にAI向け半導体規制の緩和要求 貿易合意の

ワールド

北朝鮮、軍事境界線付近の拡声器撤去を開始=韓国軍

ワールド

米、金地金への関税明確化へ 近く大統領令=当局者
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客を30分間も足止めした「予想外の犯人」にネット騒然
  • 2
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋肉は「光る電球」だった
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入…
  • 5
    輸入医薬品に250%関税――狙いは薬価「引き下げ」と中…
  • 6
    伝説的バンドKISSのジーン・シモンズ...75歳の彼の意…
  • 7
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 8
    60代、70代でも性欲は衰えない!高齢者の性行為が長…
  • 9
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 10
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 7
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 8
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 9
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 10
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中