最新記事

医療

注意すべき点は? 美容外科医が伝授、33歳からの「正しい加齢対策」

‘I’m a Plastic Surgeon’

2022年12月22日(木)15時38分
トゥンチュ・ティリヤキ(美容整形外科医)
トゥンチュ・ティリヤキ

美容整形は芸術性を生かせる分野だとティリヤキは考えている MR. TUNC TIRYAKI

<顔の「老化」の原因は加齢とともに起こる骨痩せ、合併症リスクの少ない方法でボリュームアップを>

美容整形外科は外科の中でも特別な分野だと思う。芸術性を生かすことができ、いくらかの自由もある。言うなれば芸術と医用工学の融合だ。

私が美容外科医になったのは、25年以上前。父が大学教授で老化の研究をしていたから、家業のようなものだ。

故郷であるトルコのイスタンブールで勉強した後、ニューヨーク大学で外科医として勤務した。2000年に自分のクリニックをイスタンブールに開設。5年前にはロンドンにもクリニックを設けた。専門は主にフェースリフトと幹細胞治療。再建治療にも、加齢に伴う症状の治療にも役立つ技術だ。

では、なぜ加齢は起こるのか。加齢を食い止めるには、どうすればいいのか。

顔が老化すると、骨形成(骨を作る)より骨吸収(骨を壊す)のほうが増える。こうして「顔痩せ」が起こる。

目より下の老化は、この骨量の低下が一因だ。頰骨や下あご、あご先の骨が痩せ、皮膚や筋肉がたるんでくる。

私が勧める治療法は、主にボリュームアップ。幹細胞注入や脂肪移植、ヒアルロン酸などのフィラー(注入物)を入れるといった方法がある。

最も効果的なのは、幹細胞を使ったフェースリフトだと思う。体の脂肪から幹細胞を抽出し、それを顔に注入する。これによって肌質が再生され、老化で失われがちなボリュームを補うことができる。

フィラーを入れるやり方は、私の経験からすると最善とは言えない。さまざまな合併症を引き起こす可能性があるためだ。その点、脂肪由来の幹細胞は自分の体から抽出したものだから、拒絶反応や副反応のリスクが少ない。

顔の上半分の表情じわについては筋肉の使いすぎが原因で、その筋肉を緩めるのが唯一の治療法だ。そこでボトックスが使われる。ボトックスは注入後3~5カ月で効果が薄れ、再びしわができ始める。

ボトックスは年4回まで

ボトックス注射については、自らへの施術から学んだことがある。

私は43歳だった10年前から、顔の下半分に幹細胞注入と脂肪移植を始め、同時に顔の上半分には少量のボトックス注射を始めた。しかし私は額の筋肉がとても弱く、ここの筋肉を使わないと眉毛が下がってくる。だから48歳でボトックス注射をやめた。

ボトックス注射は年4回までにすべきだ。理想的には4カ月おきに打つのがいい。幹細胞注入や脂肪移植は5~7年おきがいい。移植・注入した組織はなくならないが、骨は萎縮し続けるためだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ホンダ、半導体不足打撃で通期予想を下方修正 四輪販

ワールド

ロシアの限定的なNATO攻撃、いつでも可能=ドイツ

ビジネス

FRB、近くバランスシート拡大も 流動性対応で=N

ビジネス

再送-TOPIX採用企業は今期6.6%減益予想、先
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 6
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 9
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 10
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 8
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中