最新記事

昆虫

ミツバチが帯電!?群れが飛ぶと大気は雷雲ほどに 英研究

2022年12月2日(金)11時30分
青葉やまと

ミツバチは電場を知覚している

研究チームがミツバチの群れと大気の帯電の関係に気づいたのは、偶然の出来事だったようだ。本来チームはミツバチが電場をどう知覚しているかを調査する予定だった。

論文の筆頭著者であるブリストル大学のエラルド・ハンティング博士(生物学)は、米CNNに対して次のように説明している。

「たとえば花には電場があり、ミツバチはこれを知覚できます。そして花のこうした電場は、ハチが飛来した際に変化することがあるのです。そのため、後からきたハチはこの情報を利用して、花にすでに先客がいたかどうかを知ることができます」

花の蜜を効率よく集めるうえで、非常に有用な知覚となっている。

この現象をさらに詳しく調査するため、ハンティング博士たちは同大学の野外調査拠点に赴いた。複数ある巣箱の付近に大気電場の測定装置を設置し、本来は天候による電場の変化状況を把握する予定だった。

野外拠点での驚きの発見

ところが博士たちは、ミツバチの群れが測定装置の付近を飛行するたび、大気の電場が大きく変化することに気づいた。米スミソニアン誌は、顛末を次のように紹介している。

「エラルド(ハンティング博士)と共同研究者たちがイングランドの野外拠点で天候を研究していたところ、装置のひとつが予想外の反応を示していることに気づいた。嵐が接近しているわけでもないのに、電界モニターは、大気電場が奇妙にも増加傾向にあることを告げていたのだ」

これをきっかけに調査を進めたところ、ミツバチの大群が大気電場にかなりの影響を及ぼすことが確認された。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イスラエルに人質1人の遺体返還、残り1人か ラファ

ビジネス

米の同盟国支援縮小、ドルの地位を脅かす可能性=マン

ワールド

トランプ政権、燃費規制の大幅緩和提案 ガソリン車支

ワールド

ヘグセス長官の民間アプリ使用は問題、「米軍危険に」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 2
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 3
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 6
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 7
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 8
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 9
    トランプ王国テネシーに異変!? 下院補選で共和党が…
  • 10
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中