最新記事

カタールW杯

日本を知る人なら驚きではない...サポーターの「掃除」、過去の掃除シーンと共に海外称賛

2022年11月25日(金)17時16分
フアン・ペレス
ドイツ戦後の日本サポーター

ドイツ戦の勝利を祝う日本サポーター(ハリファ国際競技場、11月23日) Fabrizio Bensch-Reuters

<ドイツ戦の勝利は世界に衝撃を与えたが、サポーターたちによる「ゴミ拾い」はもはやそこまでの衝撃ではなくなっているようだ>

11月23日、カタール・ハリファ国際競技場で試合を観戦した日本代表のサポーターたちの行動に、世界からの称賛が続いている。強豪ドイツを相手にした歴史的な勝利の興奮冷めやらぬうちに、スタンドのごみを片付け始める姿が目撃されたからだ。この行動は各国のメディアで取り上げられ、SNSでも大きな話題となったが、その多くは「日本を知る人にとってはおなじみの光景」として扱われていた。

■【写真】日本人は前からこうだった...過去の写真と共に「ゴミ拾い」を紹介する海外メディア

サッカー・ワールドカップ(W杯)をスタジアムで観戦していて、自分の国の代表チームが強豪相手に「大番狂わせ」の勝利を収めたらどうするか? 大騒ぎして勝利を祝う、というのが世界共通のファンの自然な反応であると同時に、彼らが去った後のスタンドは大量のごみで汚されているのが「世界の常識」的な光景だ。

だが、この日に行われたグループEの試合で、優勝候補の一角であるドイツに2対1の逆転勝利を果たした日本代表と、そのサポーターたちは違った。

日本代表は前半33分にドイツのMFイルカイ・ギュンドアンにペナルティキック(PK)を決められ、1対0でドイツに先制されるも、後半に交代出場した堂安律と浅野拓磨がそれぞれゴールを決め、サムライブルーを「まさか」の勝利に導いた。

この前日には、サウジアラビアがもう一つの優勝候補であるアルゼンチンに逆転勝ちを収めており、連日の大番狂わせとなった。

こんな歴史的勝利には、それと同じぐらい大々的なお祝いがふさわしい。勝利を目の当たりにした日本のサポーターたちも、もちろん大騒ぎして勝利を祝った。だが彼らが多くの国サポーターと違ったのは、喜びを爆発させるのと同時に責任ある行動を取り、きちんと後片付けもしていったことだ。この行動に、各国メディアやインターネット上では称賛の声が相次いでいる。

代表チームのロッカールームもピカピカに

さらに称賛の声を集めたのは、日本代表の選手たちもまた、ロッカールームをきちんと片付けていったことだ。試合後、それも勝利を収めた後のスポーツチームのロッカールームがどれだけ散らかっているか、一度でも見たことがある人ならば想像できるだろう。

インターネット上に出回っている写真からは、日本代表がロッカールームを使う前と同じ状態にして帰っていったことが分かる。水のボトルは端に寄せられ、着用したビブスも綺麗に畳まれている。

だがこれは、一部の人々にとっては驚きではなかったようだ。日本人が規律を守り、整理整頓をきちんとする人々であることは、今では広く知られるようになってきているからだ。2018年のW杯でも、日本のサポーターがスタジアムでごみ拾いをする姿が話題となっていた。

日本代表は、次は27日にコスタリカとの対戦に臨み、その後は12月1日にグループリーグ最終戦で強豪スペインと対戦する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EU首脳、ウクライナ財政支援で合意 ロシア資産の活

ワールド

OPEC、米のロシア石油大手制裁で減産縮小の用意=

ビジネス

ヘッジファンド運用資金が過去最高、第3四半期末で5

ビジネス

米フォード、通年利益見通しを引き下げ アルミ工場火
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 2
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシアに続くのは意外な「あの国」!?
  • 3
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺している動物は?
  • 4
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 5
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 6
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 7
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 8
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 9
    「石炭の時代は終わった」南アジア4カ国で進む、知ら…
  • 10
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 7
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 10
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中