最新記事
中間選挙

トランプ「中間選挙の結果に失望」、共和党の足を大いに引っ張る

Trump Admits Midterms Were 'Somewhat Disappointing' for Republicans

2022年11月10日(木)18時58分
ニック・レイノルズ

これも逆効果だった? 選挙前日、自家用ジャンボで派手に選挙集会に乗り込んだトランプ(11月7日、オハイオ州デイトン) Gaelen Morse-REUTERS

ドナルド・トランプ前大統領は9日、前日に投票が行われた中間選挙の結果について失望を表明した。今回の選挙では選挙運動の期間を通じて、トランプの存在の大きさと2021年1月6日の連邦議会襲撃事件の不快な記憶が有権者の心理に影響を与えていた。

トランプは自身で立ちあげたソーシャルメディア、トゥルース・ソーシャル(社会の真実)への投稿で「昨日の選挙はある意味でやや期待はずれだったが、私個人の立場では非常に大きな勝利だった。総選挙で推した候補は219勝16敗だ」と書いた。「これ以上の成績を収めた人がいるだろうか?」

トランプが投稿した時点で共和党は204議席を確保していたが、多くの人は、まだ開票が終わる前から過半数に必要な218議席を僅差で獲得できると予想していた。だが、それでも共和党が獲得すると多くの人が考えていた議席数よりははるかに少なく、接戦が予想された選挙区で多くの共和党候補者が劣勢に立たされた。

トランプの存在が仇に

共和党陣営では多くの人がトランプを非難し、保守派のライター、チャールズ・C・W・クックにいたっては、保守派雑誌ナショナルレビューに寄せた記事の書き出しで「敗者」と呼んだ。

ニューハンプシャー州(大統領時代のトランプにずっと忠誠を誓っていた共和党のドン・ボルダック候補は、トランプの推薦を無視した)やミシガン州などの選挙では、2020年の大統領選挙は「盗まれた」というトランプの根拠のない主張を鵜呑みにした候補者が手痛い敗北を喫した。

民主党はトランプの存在が共和党に悪影響をもたらすと見て、共和党の予備選ではトランプを支持する極右候補が勝ち進むことを望んでいた。民主党の思惑通り、トランプ支持派の候補は勝てると思われていた選挙区で敗れた。ペンシルベニア州のような激戦州では、選挙戦終盤でトランプの存在感が増したことは、健康番組の司会者であるメフメト・オズのような共和党候補者に不利に働いているように見えた。オズは、上院の共和党支配を阻止する可能性のある議席をめぐる激しい戦いで、民主党のジョン・フェッターマンに敗れた。

「投票日直前の土曜日にペンシルベニア州でトランプが集会を開いたこと、今月末にも大統領選への出馬を表明するとほのめかしたことは、予想以上のダメージを与えたかもしれない」と、保守系コラムニストのサレナ・ジトは投票日の夜、フェッターマンの勝利が確実になった後で書いた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FRB、政策決定で政府の金利コスト考慮しない=パウ

ビジネス

メルセデスが米にEV納入一時停止、新モデルを値下げ

ビジネス

英アーム、内製半導体開発へ投資拡大 7─9月利益見

ワールド

銅に8月1日から50%関税、トランプ氏署名 対象限
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目にした「驚きの光景」にSNSでは爆笑と共感の嵐
  • 3
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い」国はどこ?
  • 4
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 5
    M8.8の巨大地震、カムチャツカ沖で発生...1952年以来…
  • 6
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 7
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 8
    「自衛しなさすぎ...」iPhone利用者は「詐欺に引っか…
  • 9
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 10
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 8
    タイ・カンボジア国境で続く衝突、両国の「軍事力の…
  • 9
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 10
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中