最新記事

ウクライナ情勢

ロシア軍、ウクライナ東部ハリコフで総攻撃 ゼレンスキーはEU候補認定に期待

2022年6月23日(木)12時35分
ロシア軍に攻撃されたウクライナのハリコフの建物

ロシア軍は22日もウクライナ第2の都市・ハリコフや東部ドンバス地方に激しい攻撃を続けた。写真はハリコフで21日撮影(2022年 ロイター/Leah Millis)

ロシア軍は22日もウクライナ第2の都市・ハリコフや東部ドンバス地方に激しい攻撃を続けた。4カ月間にわたるロシアの侵攻で犠牲や破壊が広がる中、ウクライナのゼレンスキー大統領は、同国が欧州連合(EU)の「加盟候補国」に認定される見通しとなったことに歓迎の意を表した。

EUは23日の首脳会議で、ウクライナを加盟候補国に正式に認定する見通し。加盟手続きには長い時間がかかるため、象徴的な意味合いが強いが、ウクライナ人の士気を高めると期待されている。

ゼレンスキー氏はオランダの首都アムステルダム向けのビデオ演説で、EUの全27加盟国が候補認定を支持するだろうと論じ「われわれにはその資格がある」と語った。

外交筋によると、ウクライナが加盟基準を満たすまでには10年以上の時間を要する見込み。ただ、EU首脳らはロシアの侵攻によってウクライナ人が犠牲を強いられたことを認める意思表示が必要だとしている。

ロシア、押し戻されたハリコフ総攻撃

ロシア軍は、一時は押し戻されていたハリコフで21日、22日に攻勢を強めた。

砲撃で少なくとも20人が死亡したと報じられており、ウクライナ政府は、主戦場となっているドンバスから同国軍の一部をハリコフの民間人保護に振り向けるよう仕向けるのがロシア側の狙いだと指摘。

ハリコフ州のオレフ・シネグボフ知事は、通信アプリ「テレグラム」に「ロシア軍による民間人への砲撃は弱まらない」と投稿。「ロシア軍が圧力を受けて撤退したチェルニヒウやキーウと同じシナリオは期待できない」とした。

東部ルガンスク州のガイダイ知事はネット上の投稿で、ロシア軍は要衝セベロドネツクでウクライナ軍を包囲するために予備部隊を増強していると指摘。ロシア側が同市を既に制圧したと主張していることについては「戦闘は続いている」と反発。「ロシア軍は完全掌握していない」と現地テレビに語った。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ロシア戦車を破壊したウクライナ軍のトルコ製ドローンの映像が話題に
・「ロシア人よ、地獄へようこそ」ウクライナ市民のレジスタンスが始まった
・【まんがで分かる】プーチン最強伝説の嘘とホント
・【映像】ロシア軍戦車、民間人のクルマに砲撃 老夫婦が犠牲に


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

香港長官が政策演説、経済と生活の向上に注力と表明

ワールド

米カリフォルニア大関係者がトランプ政権提訴、資金凍

ビジネス

アングル:外国投資家が中国株へ本格再参入うかがう、

ビジネス

ティッセンクルップ鉄鋼部門、印ナビーン・ジンダルか
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 2
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 8
    「なにこれ...」数カ月ぶりに帰宅した女性、本棚に出…
  • 9
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 10
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中