最新記事

ロックダウン

【動画】中国、隔離施設の確保のため、自宅「立ち退き」を迫られた住民が必死の抵抗

Shanghai Residents Dragged Away From Homes Requisitioned for COVID Patients

2022年4月15日(金)19時31分
ゾーイ・ストロゼウスキ
ロックダウン中の上海

@_ffffiona/Twitter

<ロックダウン中の上海ではコロナ感染者の隔離施設として使用するため、一部の住居が強制的に当局によって「徴発」され、住民との衝突が起きているという>

ロックダウンが実施されている中国・上海で、一部の住宅や集合住宅が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者を隔離する場所として「徴発」されているという。ソーシャルメディアでは、立ち退きを命じて強制的な手段に出る当局者たちと、彼らに引きずられながらも必死で抵抗する住民たちの姿を捉えた動画が注目を集めている。

ツイッターに投稿されたある動画には、3人の当局者が、抵抗する1人の住民をバンに乗せようとしている様子や、路上に倒れている人のように見えるものを当局者たちが取り囲む様子が映っている。別の動画では、抗議のための悲鳴やクラクションの音が鳴り響くなか、当局者が住民たちと衝突する様子が映し出されている。

中国の金融の中心地であり、2500万人が暮らす上海では4月14日、新型コロナウイルスの感染者数が過去最高の2万7000人を記録したとロイターは報じている。上海では現在、2019年末に武漢で起きた最初のアウトブレイク(感染爆発)以来、中国で最悪のアウトブレイクが発生しており、当局は厳格な対策を実行・維持している。

動画につけられた字幕によれば、住民と防護服を着た当局者の衝突は4月14日、上海の浦東新区(ほとうしんく)にある集合住宅「ジャンジアン・ナシ・インターナショナル」の前で起きた。

この動画を投稿した@tong57966037というユーザーは、政府はこの集合住宅を1800人の隔離施設として使うことを決定したと説明している。その後、抗議や衝突が勃発したという。3人の当局者が1人の住民をバンに乗せようとする動画を投稿したユーザーも、ジャンジアン・ナシ・インターナショナルの外で撮影したと述べている。

食糧不足や隔離の厳密さに不満が高まっている

ロックダウンが続く上海の住民たちは、生活環境への不満を募らせているようだ。多くの人がソーシャルメディアを通じて、十分な食料が手に入らないことや、ウイルス検査で陽性になった全員が隔離を義務づけられることへの不満を訴えている。

上海在住のある女性は、ロックダウン中の生活をTikTokで公開している。今回のティックトック動画の中でこのユーザー(@its__rochelle)は、午前4時に、窮状を訴える女性の叫び声で目が覚めたと語っている。

@its__rochelleはこの動画の中で、水道水が「消毒剤」のような味だと隣人が言っていたこと、自身が暮らす集合住宅には週末に食料が届くはずだったが、動画が投稿された月曜日の時点で、まだ届いていないことを報告している。

アメリカ政府は4月11日、上海にある総領事館で働く、緊急業務に関わらない職員や家族に対して、退避するよう命じた。アメリカの外交官とその家族はそれまで、希望する場合は退避することを認められていた。

中国における厳しいコロナ規制が、すぐに緩和されることはなさそうだ。ロイターによれば、中国の習近平国家主席は4月13日、「力強い防疫」政策と規制を維持しなければならないと発言している。
(翻訳:ガリレオ)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、イランとの協議順調 紛争費用負担でアラブ諸国に

ワールド

米、ベネズエラ大使館を再開 外交関係の再構築が進展

ビジネス

ECB、「インフレ期待が漂流」なら迅速に対応=ギリ

ワールド

トルコ領空にイラン発射の弾道ミサイル、NATO迎撃
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思われるドローンの攻撃を受け大炎上
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 6
    アリサ・リュウの自由、アイリーン・グーの重圧
  • 7
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 8
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 9
    【銘柄】東京電力にNTT、JT...物価高とイラン情勢に…
  • 10
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 4
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 5
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 6
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 7
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 8
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 9
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 10
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中