最新記事

トラベル

5日間のタイ旅行で感じた今会社員が海外旅行に行くハードル パンデミック下でも行けなくないけど

2022年4月23日(土)11時00分
橋賀秀紀(トラベルジャーナリスト) *東洋経済オンラインからの転載
バンコクのワット・パークナム

4月初旬にタイへ行った筆者が「コロナ禍の海外旅行事情」についてお伝えします。写真はバンコクのワット・パークナム (C) ショーミヤギ

2022年3月1日以降、3回目のワクチン接種者を対象に日本帰国時の待機が一部免除された。ようやく勤め人でも海外旅行に行ける環境が整ったといえる。これをふまえて、「今年こそ海外旅行できる?渡航にいくつかの条件」をまとめた。

筆者も4月初旬、ほぼ2年1カ月ぶりの海外旅行で5日間バンコクへ行ってきた。そのときの実体験をふまえて、いまの海外旅行の実態がどのようになっているのか、出入国情報を中心に報告したい。

直行便がない都市はきびしい

まず、行き先の選定である。韓国やベトナムなど、厚生労働省の定める「指定国」の場合(4月14日時点)、ワクチンを3回接種していても3日間の待機が義務づけられているのでまず選択肢から外れた。

次に相手国の入国条件である。隔離がないことはもちろんのこと、日本出国前にPCR検査を義務づけない国がのぞましい。旅行前に半休などを取得し、費用をかけて検査するのを避けたいからだ。こうした条件は出張手配専門の旅行会社である「日本橋夢屋」のサイトが詳しい。

検査は、①海外渡航前に日本国内でPCR検査か抗原検査→②相手国入国時の検査→③相手国滞在中に日本再入国用のPCR検査(帰国便出発時刻から72時間以内)→④日本入国時に空港で抗原検査という流れだ。③・④は全員必須だが、①・②は渡航する国によって免除されることもある。

一方、コロナ前と異なり、国際線の路線・便数が絞られている。乗り継ぎの場合、時間的なロスにくわえて、乗り継ぎ空港がある国での検疫もクリアしなければならないケースがあるので直行便の就航している都市がのぞましい。さらに今回は日数が短いこともあり、アジアから選ぶことにした。

2022年3月中旬の時点では隔離なしで入国できるうえ、直行便があるアジアの国はかぎられていた。いったんフィリピンとタイに絞り込んだ後、行き先をバンコクに決めた。久しぶりの海外旅行なので、行き慣れているうえ、情報も得やすいと判断したからだ。

通常は欧米線で用いられているJALのB777-300ERがバンコク線に投入されていることも決め手となった。この機材はファーストクラスが8席あるが、ファーストクラスの設定がないので、ビジネスクラスの利用客(含む特典航空券)なら、だれでもこのシートをアサインすることができる。

現時点で2023年春まで予約を入れられるので、JALマイレージバンクやアラスカ航空の利用者でバンコクへ行く予定がある人にはぜひおすすめしたい。

タイ入国には「タイランドパス」とよばれるアプリをインストールし、事前にホテルの予約証明書やワクチン接種証明書、海外旅行傷害保険の英文証明書などをアップする必要がある。

このホテル予約証明書は、SHA Extra+とよばれる指定されたホテルで、空港からホテルまでの送迎とPCR検査代などを含むプランでなければならない。ホテルに個別に連絡してもよいが、ホテル予約サイトのagoda経由で簡単にできた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン主要濃縮施設の遠心分離機、「深刻な損傷」の公

ワールド

欧州委、米の10%関税受け入れ報道を一蹴 現段階で

ワールド

G7、移民密輸対策で制裁検討 犯罪者標的=草案文書

ワールド

トランプ氏「ロシアのG7除外は誤り」、中国参加にも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 3
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 4
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 7
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    コメ高騰の犯人はJAや買い占めではなく...日本に根…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 7
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 10
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中