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経済制裁

プーチン「ロシア産ガスは4月1からルーブル払い、不履行なら契約停止」

2022年4月1日(金)09時03分
ガスの炎

ロシアのプーチン大統領は31日、外国の買い手は4月1日からロシア産天然ガスの代金をルーブルで支払う必要があると明らかにした。30日撮影(2022年 ロイター/Wolfgang Rattay)

ロシアプーチン大統領は31日、外国の買い手は4月1日からロシア産天然ガスの代金をルーブルで支払う必要があるとする法令に署名したと明らかにし、支払いが行われない場合は契約を停止するとした。

プーチン大統領は「ロシア産天然ガスを購入するためには、ロシアの銀行にルーブル建ての口座を開設する必要がある。天然ガスの代金は4月1日からこの口座を通して支払われる」と語った。

その上で「支払いが行われなければ、買い手側の不履行と見なす。その結果、あらゆる事態が発生する」とし、「無料で物を売る人はいない。われわれは慈善事業は行わない。つまり、既存の契約は停止される」と述べた。

関係筋によると、法令は4月1日以降に供給されるガスが対象になるという。

署名された法令によると、外国の買い手は国営天然ガス企業ガスプロム傘下のガスプロムバンクの特別口座を通して支払いを行う必要がある。

プーチン大統領はテレビ放映された演説で、西側諸国はロシアに対する制裁措置を導入する新たな口実を見つけようとするとの見方を示した。

米国は他の国を代償にして自国の問題を解決しようとしており、世界的な混乱で利益を得ると指摘。欧州は米国から液化天然ガスの輸入を余儀なくされ、大勢の失業者が発生するとの見方を示した。

さらに、ロシアの発展を阻害することを目的に、ロシアに対する経済戦争は何年も前から開始されていたと指摘。西側諸国の制裁措置は事前に計画されていたとし、ロシア政府、および中央銀行は制裁措置による圧力は継続すると想定する必要があると述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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