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ナチス・ドイツのホロコーストから生還の96歳ウクライナ男性、ロシアの攻撃で死亡

2022年3月22日(火)17時24分
廃墟と化したウクライナのハリコフの町並み

ウクライナ第2の都市ハリコフで先週、ナチス・ドイツのホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を生き延びたボリス・ロマンチェンコさんがロシア軍による砲撃で死亡したことが分かった。96歳だった。写真は21日、ハリコフで撮影(2022年 ロイター/Vitalii Hnidyi)

ウクライナ第2の都市ハリコフで先週、ナチス・ドイツのホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を生き延びたボリス・ロマンチェンコさんがロシア軍による砲撃で死亡したことが分かった。96歳だった。

ロマンチェンコさんは第2次世界大戦中、ナチスのブーヘンバルト強制収容所やドーラ・ミッテルバウ、ベルゲン・ベルゼンの各収容所に入れられたが、生還した。

ブーヘンバルト収容所の生還者のための組織が21日に追悼文を出し、ロマンチェンコさんが住んでいた集合住宅が砲撃され、火災が起きたと説明した。

ウクライナのゼレンスキー大統領は21日遅く、「ロマンチェンコさんがどれだけ多くのことを経験してきたか考えてほしい」と嘆いた。ロシアのプーチン大統領はウクライナの「非ナチス化」を主張してきたが、「戦争の1日1日は、ロシア人にとって非ナチス化の意味するところを明確に示している」とした。

ウクライナ国防省はツイッターへの投稿で「ヒトラーさえも『達成』できなかったことをプーチン氏はやり遂げた」と皮肉った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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