最新記事

ウクライナ情勢

ウクライナ政府機関や銀行サイトに大規模サイバー攻撃 データ消去ソフトを利用か

2022年2月24日(木)11時15分
ウクライナへのサイバー攻撃のイメージ

ウクライナ議会、政府、および外務省などのウェブサイトが23日、アクセス不能になっており、インタファクス通信は大規模なDDoS攻撃がウクライナで新たに開始されたと報じた。15日撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic)

ウクライナに対する大規模サイバー攻撃の一部を巡り、サイバーセキュリティー会社「ESET」の研究者は、同国で新たに発見された破壊的なソフトウエアが数百台のコンピューターを攻撃しているとの見解を示した。

ESETはツイッターへの投稿で、データ消去プログラムが「ウクライナの数百台のマシンにインストールされ」、攻撃は過去2、3カ月の間に準備されていた可能性が高いとした。

また、この攻撃を調査しているサイバーセキュリティー会社シマンテックのビクラム・タカール氏はロイターに対し、感染がかなり広がっていると指摘。「ウクライナやラトビアでも確認している」とした。シマンテックの広報担当者はその後、リトアニアも追加した。

誰がこのデータ消去プログラムに関与しているのかは明らかになっていないものの、ロシアはウクライナなどの国に対してハッキングを行ったとして繰り返し非難されている。ロシアは疑惑を否定している。

研究者らによると、この消去ソフトはキプロスの「Hermetica Digital Ltd」という会社が発行した証明書にデジタル署名されているようだという。米サイバーセキュリティー会社ゼロフォックスのブライアン・カイム副社長は、こうした証明書を偽って取得したり、盗んだりすることは可能としている。

約1年前にキプロスの首都ニコシアに設立されたHermetica社の連絡先は今のところ不明。また、同社はウェブサイトを開設していないようだ。

ウクライナでは23日、政府、外務省、国家保安機関のウェブサイトがアクセス不能になった。ウクライナ政府は現地時間午後4時(日本時間午後11時)ごろに大規模なDDoS攻撃が開始されたとしている。

フョードロフ・デジタル転換相は「午後4時ごろにウクライナに対する大規模なDDoS攻撃が開始された」とし、ウクライナ議会のウェブサイトも攻撃を受けていると明らかにした。

同相は複数の銀行も影響を受けているとしているが、具体的な銀行名は明らかにしていない。ウクライナ中央銀行からコメントは得られていない。

ウクライナ当局者は今週に入り、政府機関、金融機関、防衛部門などを対象とした大規模なサイバー攻撃が計画されているとする警告がオンライン上で確認されたと明らかにしていた。

15日にはウクライナ国防省などに対するサイバー攻撃が発生。ウクライナはロシアが背後にいると非難している。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ウクライナ危機で分断される欧州 米と連携強める英 宥和政策の独 独自外交唱える仏
・【ウクライナ侵攻軍事シナリオ】ロシア軍の破壊的ミサイルがキエフ上空も圧倒し、西側は手も足も出ない
・バイデン政権、ロシアのウクライナ侵攻準備を懸念「偽旗作戦の工作員が配置された」
・経済を理解しなければ、ウクライナでプーチンが「賭けに出る」理由は分からない


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ロとウクライナの高官協議終了、2月1日に再協議へ

ワールド

トランプ氏、中国との貿易協定巡りカナダに警告 「1

ワールド

アングル:中国で婚姻数回復傾向続く、ドレス業界が期

ワールド

ウクライナ2都市にロシアが攻撃、和平協議直後
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味を帯びる「超高齢化」による「中国社会崩壊」
  • 3
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投稿したアメリカを嘲笑する動画にネット爆笑
  • 4
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 5
    サーモンとマグロは要注意...輸入魚に潜む「永遠の化…
  • 6
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 7
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 8
    「これは違法レベル...」飛行機で「史上最悪のマナー…
  • 9
    トランプを支配する「サムライ・ニッポン」的価値観…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味を帯びる「超高齢化」による「中国社会崩壊」
  • 4
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 7
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 8
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 9
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 10
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中