最新記事

フィギュアスケート

【順位予想】北京五輪フィギュア団体、日本はカナダと銅争い メダル獲得のポイントは「アイスダンス」

2022年2月2日(水)16時30分
茜 灯里(作家・科学ジャーナリスト)


いっぽう、日本にとって最悪の展開は、男子で3大会連続世界王者(中止の2020年を除く)のネイサン・チェン選手を擁するアメリカに負けて2位、女子でロシア、アメリカに続く3位、ペアで4位、アイスダンスで10位です。これは、選手が良い演技をしたのにもかかわらずライバルに競り負ける展開なので、転倒などの失敗があると順位はさらに下がります。

同時にカナダにとって最良の展開が起きると、男子4位、女子3位、ペア3位で、アイスダンスではロシア二番手に勝って1位となります。この場合、予選は1位ロシア(37点)、2位アメリカ(33点)、同率2位カナダ(33点)、4位中国(26点)、5位日本(24点)になります。

日本が最良かつカナダが最悪、あるいは逆のパターンになることは極端なケースです。けれど、日本から見てカナダに対しては男子が+6~+2、女子が+3~-1、ペアが+2~-1、アイスダンスが-5~-9のポイントになる可能性が高いとは言えそうです。全日本選手権で接戦を勝ち抜けたアイスダンスの小松原美里・小松原尊(ティム・コレト)組がどれだけ踏ん張れるかがカギとなります。

さらに、上記の計算は決勝進出の5枠目が中国になるように算出しましたが、イタリアやジョージアにも可能性はあります。出場確率は、中国50%、イタリア30%、ジョージア20%といったところです。決勝に出場するのが中国ならば男子、イタリアならば男子、ジョージアならば男子と女子で日本とカナダの間に入り、日本を有利にする可能性があります。もっとも中国はペアで日本を負かして不利にすることも考えられます。

決勝の展望

ひとまず、ロシア、アメリカ、日本、カナダ、中国が決勝に出場するケースで考えます。

日本が最良かつカナダが最悪の展開をシミュレートしましょう。

  男子順位:日本、アメリカ、ロシア、中国、カナダ
  女子順位:ロシア、日本、アメリカ、カナダ、中国
  ペア順位:ロシア、日本、中国、アメリカ、カナダ
  アイスダンス順位:ロシア、アメリカ、カナダ、中国、日本

この時、決勝のポイントは1位ロシア(38点)、2位日本(34点)、3位アメリカ(33点)、4位中国(28点)、5位カナダ(27点)となり、メダルはロシアが金(76点)、アメリカが銀(66点)、日本が銅(64点)になります。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米CPI、4月は前年比3.4%上昇に鈍化 利下げ期

ビジネス

米小売売上高4月は前月比横ばい、ガソリン高騰で他支

ワールド

スロバキア首相銃撃され「生命の危機」、犯人拘束 動

ビジネス

米金利、現行水準に「もう少し長く」維持する必要=ミ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 3

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 4

    それでもインドは中国に勝てない...国内企業の投資意…

  • 5

    マーク・ザッカーバーグ氏インタビュー「なぜAIを無…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    奇跡の成長に取り残された、韓国「貧困高齢者」の苦悩

  • 8

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中