最新記事

米ロ関係

極超音速ミサイルでロシアはアメリカを抜いたのか、それともウクライナ侵攻前のブラフなのか?

Has Russia Beaten the U.S. in the Hypersonic Missiles Race?

2021年12月6日(月)18時45分
ブレンダン・コール

また、ミサイル能力には標的の特定と追跡の能力も含まれるが、ロシアの場合、センサーを組み込んだ戦闘ネットワークは未開発のままだ。

「数年前、アメリカは高度ミサイルの実験および開発の面でかなり遅れていると言われていた」と、戦略国際研究センターの上級研究員トーマス・カラコは言う。「そうは言っても、アメリカは多くのプログラムを慎重にゆっくりと進めている」

そして、米空軍の極超音速攻撃巡航ミサイル(HCAM) と米陸軍の長距離極超音速兵器(LRHW)が米海軍と共同で開発されていることを、カラコは指摘した。

米戦略軍の元司令官ジョン・ハイテンは11月にCNNの番組で、中国の極超音速ミサイル実験は中国政府がアメリカに奇襲核攻撃を仕掛ける可能性があることを示していると語った。

だがカラコは、ロシアと中国が軍事力をアピールするなかで、アメリカは「こうした空からの攻撃に対抗するために、独自の防空システムを進化させている」と語った。

大言壮語でも対処は必要

開発がどこまで進んでいるにしろ、ロシアの極超音速ミサイル計画は2026年まで延長された新戦略兵器削減条約(新START)の後継となる条約の協議の対象になるだろう。

専門家は自国の軍事能力を自慢するプーチンの主張を大言壮語に過ぎないと考えるかもしれない。だが政治家は、少なくとも公にはプーチンの脅威を真剣に受けとめている。指導者たちはウクライナの国境で進むロシアの軍備増強をどうすべきか考えなければならないからだ。

「ロシアは体を膨らませることによって敵を追い払おうとしている巨大なフグのようなものだ」と、コノリーは言う。「われわれに脅しをチラつかせながらプーチンは何をやろうとしているのか、その好ましくないたくらみは明らかだ」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

エヌビディアCEO、オープンAIへの投資を改めて明

ワールド

トランプ氏が歳出法案署名、4日間の政府閉鎖終了

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、最近の上昇失速 対円では上

ビジネス

サンタンデール、米地銀ウェブスターを122億ドルで
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗り物から「勝手に退出」する客の映像にSNS批判殺到
  • 3
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?
  • 4
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 5
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 6
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    最長45日も潜伏か...世界が警戒する「ニパウイルス」…
  • 9
    ICE射殺事件で見えたトランプ政権の「ほころび」――ア…
  • 10
    少子高齢化は国防の危機──社会保障を切り捨てるロシ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 7
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 8
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 9
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 10
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中