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米ロ首脳会談

米ロ首脳会談、トランプ時代との5つの違い

Five Ways Biden-Putin Talks Were Different to Those Between Trump-Putin

2021年12月9日(木)18時29分
ブレンダン・コール
バイデンとプーチン

バイデン(左)とプーチン(6月にジュネーブで行われた初の首脳会談で) Kevin Lamarque-REUTERS

<徹底して秘密主義だったトランプと強硬姿勢を鮮明に打ち出したバイデン。プーチンとの首脳会談には際立った違いがあった。その意味するところは?>

米ホワイトハウスは、ジョー・バイデン大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が12月7日にオンライン会談を行った際の写真をツイッターで公開、バイデンの前任者ドナルド・トランプの秘密主義との際立った違いを見せつけた。

公開された写真を見ると、会議室にはバイデンとアントニー・ブリンケン米国務長官をはじめとする5人の人物がおり、正面にある大画面と両側の壁にある2つの小画面にプーチンの姿が映っている。

会談後にはジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官が記者会見を行い、会談の内容について説明した。プーチンと5回にわたって対面での首脳会談を行いながら、その内容についてほとんど明かさず批判を呼んだトランプとは対照的だ。バイデンの米ロ首脳会談がトランプの米ロ会談と違った点はそれだけではない。以下に5つの点を挙げる。

■バイデンは通訳メモを回収しなかった

プーチンは2016年の米大統領選でトランプが勝利を果たすとすぐに祝福のメッセージを送り、2人はその後も何度か電話会談を行った後、2017年7月7日に主要20カ国・地域首脳会議(G20)の開催されていたドイツのハンブルクで初会談を行った。

この初会談はレックス・ティラーソン米国務長官(当時)とロシアのセルゲイ・ラブロフ外相も同席し、2時間以上に及んだ。しかしニューヨーク・タイムズ紙によれば、トランプは会談後に、同席した通訳者のメモを回収し、会談の内容を口外しないよう命じたという

■同席者の存在

トランプとプーチンはその後、ハンブルクで開かれたG20の夕食会に参加した際に、非公式の会談を行った。ニューヨーク・タイムズの報道によれば、この会談にはプーチン側の通訳者のみが同席し、米政府側の関係者は誰も同席していなかった。ホワイトハウスがこの非公式会談を認めたのは、報道から10日後のことだった。

ワシントン・ポスト紙は、これは公式記録に「空白」があることを意味し、機密扱いの文書にさえも、両首脳が非公開の場で交わした会話の詳細が記録されていないことを意味すると指摘した。

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