最新記事

ノルウェー

77人犠牲のテロ後も丸腰 「弓矢事件」でノルウェー警察が銃携帯へ

2021年10月18日(月)14時00分
トリア・バーンハート
ノルウェー警察

弓矢による殺傷事件の現場に立つ警官 VICTORIA KLESTY-REUTERS

<世界には警察官が通常、銃器を携帯しない国が19カ国ある。ノルウェーもその1つ......だった>

ノルウェーの首都オスロ近郊の小さな町コングスベルグで10月13日、弓矢を持った男が周囲の人々を襲撃する事件が発生し、5人が死亡した。

単独犯とみられる容疑者は間もなく逮捕されたが、当局はテロの可能性も含めて捜査を進めている。

世界には警察官が通常、銃器を携帯しない国が19カ国ある。ノルウェーもその1つで、上官の許可なく発砲することも認められていない。

だがこの国では極めて異例の大量殺傷事件を受けて、警察当局はノルウェー全土の警察官に銃を携帯するよう指示。「念のための予防措置だ。現時点で国家の治安警戒レベルの変更を示唆する兆候はない」と、声明で述べている。

ノルウェーでは、銃乱射などによって77人が犠牲となった2011年の連続テロ事件を機に市民の銃所持をめぐる規制が強化されたが、一方で警官の「丸腰」の方針は変わらなかった。

今回の方針転換は、ノルウェーにとって大きな転機となるかもしれない。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米GM、通年利益予想引き上げ 関税の影響見通し下方

ワールド

ウクライナ北部で停電、ロシア軍が無人機攻撃 数十万

ワールド

ロシア大統領府、米ロ首脳会談の日程は未定 「準備が

ワールド

米政府閉鎖、国民は共和党を非難 トランプ氏支持率は
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 5
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 6
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 10
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 8
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 9
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 10
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中