最新記事

アフガン情勢

バイデン、アフガニスタン撤収期限延長するか24日にも決定へ

2021年8月24日(火)09時25分
バイデン米大統領

バイデン米大統領(写真)は、8月31日のアフガニスタン撤退期限の延長の是非を24時間以内に決定する見通し。ホワイトハウスで22日撮影(2021年 ロイター/Joshua Roberts)

アフガニスタンの首都カブールの空港では国外脱出を図るアフガン人らへの退避活動を巡る混乱が続く中、バイデン米大統領は24日にも、今月31日までとするアフガン撤収期限の延長の是非を決める見通し。

政権高官が23日、明らかにした。国防総省に準備の時間を与えるためという。

バイデン氏はこれまで、米軍部隊は米国人などの退避が完了するまで、31日以降もアフガンに残る可能性があると述べている。

2人の米当局者は、31日以降もアフガンからの退去活動を続けると想定していると述べた。米国務省の高官は記者団に、危険にさらされているアフガン人への米国の関与は「8月31日で終わらない」と語った。

アフガニスタンを掌握したイスラム主義組織タリバンの幹部は、外国軍は駐留期限延長の意向を示しておらず、延長を求められても認めないと述べた。米当局者らは、交渉は継続していると述べた。

米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は23日、政治および安全保障ルートを通じ、タリバンと毎日対話を続けていると明らかにした。米国人らの国外退避についても「大きく進展」していると述べた。

米当局者らは、空港に配置された6000人近くの部隊を撤収するのに数日を要するため、駐留期限を堅持するかどうかについてバイデン大統領は近く、可能であれば24時間以内に決定を下す必要があると述べた。

米国務省のプライス報道官は同日、カブール空港の将来的な管理についてタリバンや同盟国およびパートナー国と協議していると述べた。

タリバンは米撤収を要求

米軍が訓練してきたアフガン政府軍が崩壊したことについて、米軍は対応に頭を悩ませている。デビッド・バーガー米海兵隊総司令官は海兵隊へのメモで「(これまでの活動に)価値があったのかと言えば、あった。心がまだ痛むかと言えば、それもイエスだ」と記した。

混乱が続くカブール空港では23日、アフガン治安部隊と正体不明の攻撃者との間で銃撃戦が起こり、治安部隊側の1人が死亡、数人が負傷した。ドイツ軍によると、米軍や独軍も巻き込まれた。

英首相府は、ジョンソン首相とバイデン大統領が、アフガン退避の第一段階が終了した後も含め、アフガン出国の資格のある人たちの退避を確実にするために連携を続ける方針で一致したと明らかにした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB後任議長選び、「正式プロセス」既に開始と米財

ワールド

イスラエル、シリア南部で政府軍攻撃 ドルーズ派保護

ビジネス

独ZEW景気期待指数、7月は52.7へ上昇 予想上

ビジネス

日産が追浜工場の生産終了へ、湘南への委託も 今後の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 2
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 5
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 6
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 7
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 8
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 9
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 10
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中