最新記事

トランプ

トランプ支持に翳り? 久々の演説なのにQアノンが「もううんざり」

QAnon Supporters Express Boredom With 'Same Old' Trump Speech: 'This Is Getting Ridiculous'

2021年6月28日(月)18時33分
ベンジャミン・フィアナウ
退任後初の集会で演説するトランプ前大統領(オハイオ州、6月26日

退任後初の集会で演説するトランプ前大統領(オハイオ州、6月26日) Gaelen Morse REUTERS

<トランプ元大統領が政治活動を再開したが、「2020年の大統領選では勝ったのは自分だ」などの主張は陰謀論者にも通じなくなっている?>

ドナルド・トランプ前大統領は6月26日、オハイオ州ウェリントンで退任後初めて大規模集会を開催し、支持者の前で演説を行った。

だが陰謀論を信奉するグループ、QAnon(Qアノン)をはじめとするトランプの長年の支持者はトランプの演説に不満を爆発させ、2020年の大統領選挙での敗北に関する「相も変わらずの」不満の繰り返しだと非難した。

最も狂信的なネット上のトランプ支持者を含むQアノンは、テレグラムという暗号メッセージング・アプリを通じて、トランプが「2022年(中間選挙)のための初の選挙集会」と称するこの場での演説に対する退屈と怒りを表明するメッセージを次々と投稿した。

彼らは、トランプが1月6日の米議会襲撃事件でトランプの呼びかけに応えて議会に押し寄せたために刑務所入りになった支持者たちに一言も触れなかったと、攻撃した。

また、「ワクチン」という言葉を口にしたことでも大いに顰蹙を買った。彼らは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)などデマでだと信じているからだ。

同じ不満、同じ批判

だが主なQアノンメンバーによるコメントの大半は、トランプの演説に対してあからさまな退屈を表明した。2020年11月の大統領選で自分は民主党候補のジョー・バイデンに勝利していたという根拠のない主張にはQアノンも飽き飽きしているようだ。

「私はトランプを100%支持しているが、文字通り3分前のトランプの演説で変節した。トランプの演説はもうたくさんだ」と、Qアノンを名乗るジェイコブはメッセージを送った。

「私のルームメイトは一般のトランプ支持者だが、彼らもトランプの演説にはうんざりしているようだ」と、別のQアノン信者は書いた。「私はトランプを支持するが、これじゃ話にならない」

「トランプ大統領のことは大好き。でも正直に言って、使い古した話ばかり。同じ話を何千回も聞かされたことか」と、アンマリー・カラブロはコメントした。

選挙集会を政敵の攻撃に利用するのはいつものことだが、民主党のナンシー・ペロシ下院議長やトランプの弾劾に賛成票を投じた共和党の下院議員アンソニー・ゴンザレスなど、攻撃対象はいつも同じだ。

トランプはアメリカが指導力を失ったせいで、アメリカ中心の世界秩序は崩壊の一途をたどっていると言い、その悲惨な実態を描写してみせた。「殺人、強姦、暴動、略奪、不正選挙がアメリカ全土で常態化しており、留まるところがない。どこを見ても大量殺人事件だらけだ」と、トランプは語った。

この大げさな表現を20年の大統領選で共和党の候補指名を目指したジョー・ウォルシュ元下院議員はツイッターで引用し、「まあそんなところだろう。僕は犬と散歩に行くよ」と、皮肉に付け加えた。

ニューズウィーク日本版 ガザの叫びを聞け
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月2日号(11月26日発売)は「ガザの叫びを聞け」特集。「天井なき監獄」を生きる若者たちがつづった10年の記録[PLUS]強硬中国のトリセツ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ベネズエラ大統領と電話会談 米での会談

ワールド

ネクスペリアに離脱の動きと非難、中国の親会社 供給

ビジネス

米国株式市場=5営業日続伸、感謝祭明けで薄商い イ

ワールド

米国務長官、NATO会議欠席へ ウ和平交渉重大局面
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 9
    エプスタイン事件をどうしても隠蔽したいトランプを…
  • 10
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 7
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中