ビットコイン相場で話題の「マイニング(採掘)」って何?

2021年6月3日(木)17時10分
高山武士(ニッセイ基礎研究所)

「ブロック」のイメージとして、図表1の下にそれぞれ数個の取引からなる「ブロック#1」~「ブロック#3」まで記載してみた。実際のビットコインはこんなに単純ではないが、イメージとしてはこのような構造で、ブロックはゼロ番から始まり、執筆時点で685,000近いブロックが存在している(図表2の「Height」欄、図表2ではブロックの#1~#3を左から順に並べたが、ブロックを下から上に積み上げるイメージもよく用いられ、その番号を示すものとして「高さ(Height)」の標記が使われる)。また、図表2を見ると、ひとつのブロックに1000から2000を超える取引が含まれていることも分かる(図表2の「Transactions」欄)。

nissai20210603132202.jpg

なお、昔はブロックに含まれる取引数が少なく、1ブロックの大きさ(容量、サイズ)も大きくなかったが、近年は全体で1MB(メガバイト)を超えることが常態化している(図表3、なお、1ブロックの容量には制限があるため、1MBを大きく超えることはない)。ビットコインの正体は、最初に稼働してゼロ番目のブロックができた時(2009年)からのすべての「取引」およびそれを含む「ブロック」の連結であり、執筆時点ではビットコインのブロックチェーンの容量は約350GB(ギガバイト)に達する(図表4、当然ながらビットコインが生まれてから時間が経過し「取引」が増えるほどに容量はどんどん増えていく。実際、筆者は約7年ぶりにビットコインのクライアントを起動させてみたが、容量不足で起動できなかった。7年前のビットコインの容量は20ギガバイト弱であった)。

350GBのデータを大きいと思うかは人によるだろうが、暗号資産とは何か、という問いに対するビットコインの場合の回答は、この大きなデータの塊である。

nissai20210603132203.jpg

なお、上記脚注3・4で少し触れたように、ビットコインの保有者すべてがネットワーク参加者とは限らない。むしろ、近年は交換業者にデータの保管を委託するケースが多いと見られる。また、ネットワーク参加者でも、すべてのブロックチェーンを共有しないケース(軽量型ノード)がある。上記の「参加者」はフルノード参加者を前提に記載しており、保有者のなかでもはブロックチェーンが共有されている層(一部共有も含む)と、共有されていない層がある点を補足しておきたい(なお、フルノード参加者は「マイニング」にも参加している)。

共有されていない層(例えばブロックチェーンの管理を業者に委託している人)にとっては、自分に関連するデータを業者に照会することになる(銀行口座の残高を問い合わせるようなものである)。

また「分散型」と言う特徴も、参加者間におけるデータの共有という意味で用いており、交換業者にデータの保管を委託している人はデータを保有している訳ではない。

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1前者の疑問への回答は、公開鍵暗号/電子署名に関する仕組みを学ぶことで理解できる。例えば、松澤登(2020)「キャッシュレスを学ぼう(5)-暗号資産(仮想通貨)」『基礎研レター』2020-06-11には暗号資産の法的位置づけとともに、簡潔に記載されている。

2 財布の作成は、ビットコイン端末を設置しネットワークへの参加すること(「ノード」と呼ばれる)とほぼ同義であるため、本コラムでは、このノードの意味で用いる。ただし、最近は暗号資産の交換や保管(カストディ業務)を行う業者が増えており、ネットワーク参加者でなくてもこうした交換業者を通じてビットコインを保有することができる。

3 以下で説明するようにデータとして銀行口座データとビットコインデータには違いがあるが、例えば決済業者にビットコインの保管を委託し、利用するという立場から見ると、預金口座や証券口座を保有するようにビットコイン口座が保有できるため、利用上の感覚は類似する。

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