最新記事

クーデター

ミャンマー、スー・チーの裁判26日にも結審か 商店など営業再開で軍政下の生活がニュー・ノーマルへ

2021年6月10日(木)19時15分
大塚智彦
アウン・サン・スー・チー

被告となったアウン・サン・スー・チー(写真は2015年11月5日) JORGE SILVA-REUTERS

<民主政府の要人らへの裁判が進むなか、デモは押さえ込まれ事態は軍政の狙い通りに──>

2月1日の軍によるクーデター以来、身柄を拘束されている当時の政権で実質上トップだったアウン・サン・スー・チー国家最高顧問兼外相は、その後軍政から複数の容疑で起訴されて、現在は裁判を受ける「被告」の身となっている。

その裁判についてスー・チー氏の弁護士が今後公判は毎週開催され、一部の容疑については早ければ6月26日にも結審するとの見通しを明らかにした。地元ミャンマーのメディア「ミッジィマ」がAFPの情報として6月8日に伝えた。

報道などによると、スー・チー氏の弁護士であるミン・ミン・ソー氏は7日に開かれた公判の前に約30分間、面会することができたという。身柄拘束後これが2回目の面会で、その際スー・チー氏からは「全ての国民は健康に留意して過ごすように」とのコメントがあったことを明らかにしている。

複数の容疑で公判が進行

ミン・ミン・ソー弁護士によるとスー・チー氏が起訴された容疑は複数あるが、このうち違法に外国から無線機を輸入した容疑と2020年11月に実施された総選挙の際にコロナウイルスの感染対策を怠ったという自然管理保護法違反に関しては、審理が現在進行中で6月7日にも公判が首都ネピドーの特別法廷で開かれた。

この裁判は今後ほぼ毎週開かれて次回公判は14日に予定され、早ければ28日も結審する可能性があるという。

14日の公判からは原告側の証人尋問が予定されていると弁護士は話しているという。

またこの公判とは別にスー・チー氏と同じように2月1日に身柄を拘束されて、「被告」の身となっているウィン・ミン大統領、与党「国民民主連盟(NLD)」幹部のミョー・アウン氏はスー・チー氏と同様に「国民に対する扇動罪」に問われており。こちらに関しては6月15日に初公判が開かれる予定となっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中