最新記事

中東

イラン外相、イスラエルへの報復明言 核施設への「サイバーテロ」で

2021年4月13日(火)09時50分

イランのザリフ外相は11日に同国中部ナタンズの核施設で発生した異常事態はイスラエルによる攻撃と非難し、報復措置を取ると明言した。国営テレビが報じた。写真はテヘランから南へ250キロほどのところにあるナタンズのウラン濃縮施設。2005年3月撮影(2021年 ロイター/Raheb Homavandi)

イランのザリフ外相は12日、11日に同国中部ナタンズの核施設で発生した異常事態はイスラエルによる攻撃と非難し、報復措置を取ると明言した。国営テレビが報じた。

イラン当局は11日、核施設の異常事態を「テロ」と断定し、犯人に対して行動を起こす権利があると強調した。

イランと主要国は先週、2015年の核合意復活に向け「建設的な」協議を行った。

ザリフ外相は「シオニスト(イスラエル)はわれわれの制裁解除に向けた進展を容認しないと公言しており、復讐を狙っている。しかしわれわれはシオニストに復讐する」と述べた。

複数のイスラエルメディアは、匿名の情報筋の話として、イスラエルの対外諜報機関がナタンズの核施設への行動を成功させ、ウラン濃縮作業を数カ月遅らせたと報じている。

イスラエルのネタニヤフ首相は12日、イランが核兵器開発への努力を決して放棄しておらず、イスラエルはイランによる核兵器開発を決して容認しないと表明した。

ナタンズのウラン濃縮施設の多くは地下にあり、 国際原子力機関(IAEA)による査察対象。

イラン外務省の報道官は12日の記者会見で、ナタンズで発生した異常事態は「人類に対抗する行為」と非難した。施設の汚染や犠牲者はないという。

報道官は「わが国の核専門家が被害を調べており、被害を受けたウラン濃縮の遠心分離機はより高度な装置に置き換えられる」と述べた。

米ホワイトハウスのサキ報道官は「米国による関与は一切ない」と言明。「原因や影響に関する憶測に付け加える情報は何もない」と述べた。

ドイツ外務省の報道官は、記者団からの質問に「こうした出来事は核交渉に悪影響を及ぼしかねない」とした。

先週6日には、イラン核合意を巡る当事国の対面協議がウィーンで始まり、英国、フランス、ドイツが仲介役を務める形で、核合意への復帰を目指す米国とイランの間接協議が行われた。

米・イランの間接協議は14日に再開される見通し。サキ報道官は「困難かつ長い」協議になることが見込まれるとした上で、イラン側から「参加方針に変更があることは示唆されていない」と述べた。

また米政府高官は、イラン政府がナタンズ核施設での異常事態を受けて協議のアプローチを変更すると確信する理由はないとしつつも、「断言するには時期尚早」とした。

「イランが2017年以降に導入された全ての制裁措置の解除を要求し続ける場合、合意はならず膠着状態が続く」という米国務省高官が先週示した見方に言及し、「イランがより現実的なアプローチを取ることを望む」と述べた。


[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・フィット感で人気の「ウレタンマスク」本当のヤバさ ウイルス専門家の徹底検証で新事実
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル軍、レバノン南部で「限定的」地上作戦 ヒ

ワールド

米中、トランプ氏訪中巡り協議 中国外務省

ビジネス

伊ウニクレディト、独コメルツ銀の30%超取得へ公開

ワールド

ペルシャ湾の船舶運航に支障来す保険料上昇、確認され
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 3
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングアップは「2セット」でいいのか?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 6
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 7
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    ぜんぜん身体を隠せてない! 米セレブ、「細いロープ…
  • 10
    50代から急増!? 「老け込む人」に共通する体の異変【…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中