最新記事

米政治

ベーシックインカムを掲げるニューヨーク市長の有力候補

NYC'S 'CHEERLEADER IN CHIEF'

2021年4月8日(木)16時19分
ジェイソン・レモン

210413P47_AYN_02.jpg

ヤンはホームレス問題への対策として一時避難先としてのホテルの活用や借家人の保護を唱えている JEENAH MOONーREUTERS


――ニューヨークの司法システムにおける人種差別や、警察が抱える問題にどう取り組むつもりか。

腹案はいくつもある。例えば、ニューヨーク市警の文化とは無縁の、民間出身の警察本部長を置くという案だ。組織に根差した意識を変えようと思うなら、まずはトップから手を付けるべきだ。ニューヨーク市内に居住する警察官の採用も提案している。そうすれば、自分たちが仕え、守る対象である地元コミュニティーとの距離が近くなるだろう。

考えの基本にあるのは、貧しいことが犯罪であるかのような状況を食い止めるため、もっと手を打たなければならないという事実だ。これは有色人種のニューヨーカーに特に関わってくる問題だ。罰金の類いを払えない人もいれば、保釈を受けられず不当に拘束され続ける人もいる。

――息子さんは自閉症スペクトラム障害だそうだが、ニューヨーク市において特別支援教育を拡充する必要性は感じているか。

公立学校における特別支援教育の環境整備を進めるべきだと確信している。「特別なニーズ」とは新常態(ニューノーマル)であるというのが私の持論だ。歳出を増やすことが(最終的には)市の財政負担を減らすことにつながる領域でもある。この分野には多くの資金が投じられてはいるが、ニューヨーク市の公立学校制度においてはそうとは言えない。

――あなたは大統領選で、元軍人のホームレス化を防止する政策を訴えていたが、ニューヨークでもホームレス問題は以前から大きな課題だ。

(一時避難的に)宿泊利用できるベッド数を早急に増やす必要がある。非営利団体が提供しているそうしたベッドには大きな可能性がある。シェルターよりもそうした環境を好む人もいる。十分に活用されていないホテルをすぐにも転用すべきだ。

また、(家賃滞納の際の)立ち退き猶予やさまざまな家賃補助制度を拡大すべきだ。さらに、借家人全てに弁護士を依頼する権利を与えるべき。そうすれば家を追い出される事例が減ることは証明されている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米4月雇用17.5万人増、予想以上に鈍化 失業率3

ビジネス

米雇用なお堅調、景気過熱していないとの確信増す可能

ビジネス

債券・株式に資金流入、暗号資産は6億ドル流出=Bo

ビジネス

米金利先物、9月利下げ確率約78%に上昇 雇用者数
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前の適切な習慣」とは?

  • 4

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 5

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 6

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    映画『オッペンハイマー』考察:核をもたらしたのち…

  • 9

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中