午後3時のドルは156円ちょうど付近、日銀利上げで小幅円安
12月19日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の156円前後で取引されている。写真は米ドル紙幣。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
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Shinji Kitamura
[東京 19日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の156円前後で取引されている。日銀はきょうまでの金融政策決定会合で、市場の予想通り0.25%の利上げを決めた。円相場は発表後にしばらく上下した後、発表前の水準から小幅円安に振れた。市場では、この後行われる植田和男総裁の会見に注目が寄せられている。
日銀が利上げを発表した正午過ぎ、155円後半を推移していたドルは、いったん155円半ばへ下落した後、156円前半へ60銭近く切り返す大きな値動きを見せた。しばらく売買が交錯した結果、午後3時には156円ちょうど付近で値動きが落ち付いてきた。
日銀は声明で、現在の実質金利は「極めて低い水準にある」とし、経済・物価見通しが実現していくとすれば、経済・物価情勢の改善に応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく方針を重ねて示した。
市場では、声明で示された日銀の姿勢に大きな変化はなかったとの受け止めが優勢。次回利上げを27年1月と想定しているみずほ証券チーフ為替ストラテジストの⼭本雅⽂氏は、追加利上げを示唆する内容はなかったとした上で「高市政権下で利上げは非常にゆっくりとしたペースとなるだろう」と指摘。来年にかけてドルは155から160円付近で上昇圧力がかかりやすい展開になると見込んでいる。
円安は対ドル以外でも緩慢で、ポンドが208円半ばへ、ユーロが182円後半へ小幅上昇するにとどまった。
植田総裁がこの後の会見で今後の利上げに慎重姿勢を見せれば円が一段と下落する可能性があるとの声も出ているが、「利上げを実施したことで、円の急落時に円買い介入を実施しやすくなったことも市場で今後意識されそうだ」(大手銀のトレーダー)との指摘もあった。
米財務省が10月28日、来日していたベセント氏が片山さつき財務相と会談した際「健全な金融政策の策定とコミュニケーションがインフレ期待の安定維持と為替レートの過剰な変動を防ぐ上で、重要な役割を果たすことを強調した」と公表したことで、円安阻止に向けた介入を再び日本が行うには、まず利上げが必要との受け止めが広がっていた。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 155.99/156.00 1.1719/1.1721 182.82/182.83
午前9時現在 155.58/155.59 1.1724/1.1726 182.41/182.42
NY午後5時 155.55/155.57 1.1722/1.1725 182.34/182.40





